熊本市議会 > 1997-03-13 >
平成 9年第 1回定例会−03月13日-04号
平成 9年第 1回定例会−03月13日-04号

  • "岡山県"(/)
ツイート シェア
  1. 熊本市議会 1997-03-13
    平成 9年第 1回定例会−03月13日-04号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成 9年第 1回定例会−03月13日-04号平成 9年第 1回定例会   平成九年三月十三日(木曜)   議 事 日 程 第四号   平成九年三月十三日(木曜)午前十時開議   第 一 質 問                  午前十時二分 開議 ○議長(荒木哲美君) ただいまより本日の会議を開きます。      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) 日程第一「質問」を行います。順次発言を許します。諸熊文雄君。        〔三十六番 諸熊文雄君 登壇 拍手〕 ◆三十六番(諸熊文雄君) おはようございます。新風自由民主党の諸熊でございます。これまで毎回第一回のこの伝統ある議会に質問をさせていただく機会をいただきまして本当に感謝をいたしております。  質問に先立ちまして、これまで私、十回登壇をいたすたびに一つのテーマがございまして、それは防衛問題につきまして、特に地方自治体が行うべき募集についての管理委託業務について必ず申し上げてまいりました。今回、市民部長が私のところにおいでになりまして、今回は何かありますかというサジェスチョンがございました。しかしながら、この十回、もう全部やっていただきました。本当に言い続けてまいりました、その自衛隊に対する地方自治体として行うべき業務を全部やっていただきました。これはまさに私は、三角市長、それからこれまで関係していただきました局長、課長、担当の皆様方の御配慮のおかげだと衷心から感謝を申し上げ、お礼を申し上げます。本当にありがとうございました。  したがいまして、今回については募集関係はございません。かわりまして、教育問題を主体にして申し上げてまいりたい、このように思います。  さて、私は昨年の第一回の議会におきましては、ちょうど夏目漱石、あの「草枕」の一番初めのヒバリの声のような感じで、るんるん気分で開始をいたしました。しかし、ことしはそういうわけには参りません。何かしら、エイズの問題あるいはオウム真理教の問題、そしてまた、皆さん方が一番心配をしていらっしゃる熊本の財政赤字の問題は依然として見通しが立たない暗い状況であります。  こういうことを考えますと、とても明るい気持ちにはならない。まさに暗いトンネルに入った感じがいたしました。そういう中に、ただ一つ私は光を見出した感じがいたします。それは、三角市長が熊本城の復元、これを完全にやり遂げる、しかも市民の協力を得てやるんだということを発表されました。  私は、昨年の第一回議会におきましても、熊本城のすばらしさ、熊本城は市民の誇りであり、熊本の地下水とともに子々孫々に申し継がなければならぬ得がたい宝であるということを申しました。そしてまた、熊本の駅前とこれを関連して開発をしていただきたいということを申し上げましたところ、やっとこの二点が本当に、徐々にではございますが、昨日からの論議の中にもあらわれておりますように、動き出した感がいたします。まことに同慶にたえないところでございます。この間の関係所管、三角市長の御尽力並びに議員諸君の御努力に感謝を申し上げる次第でございます。  さて、私は昨年の九月議会が終わりましてからイスラエルに勉強に行ってまいりました。御承知のようにイスラエルは、ユダヤ教キリスト教イスラム教の聖地でございます。なかんずくユダヤ人にとりましては二千年の間流浪の民となりまして、世界じゅうの国々から守銭奴と軽べつをされながら、アウシュビッツのあの悲劇、祖国なき民族としての悲惨な歴史を繰り返し、苦節二千年、ようやく祖国を得た国土であるユダヤの国イスラエル。  一方パレスチナの人たちにとりましては、一九二〇年以来、イギリスの委任統治としてその中に住んでおりましたパレスチナの人たちにとりましても、自分たちの領土であるという思いがあります。そのほかに、ヨルダン、シリアの人、あるいはアラブの人たち、多くの遺跡をこのイスラエルの国土に残していらっしゃいます。特にエルサレムは世界の宗教の遺跡でございます。文化の宝庫と言われております。キリストの受難の地、誕生の地──この誕生したところは今パレスチナの自治区に入っておりますが、そのほかに復活をした墓、嘆きの壁、黄金の神殿等々、世界三大宗教でありますユダヤ教キリスト教イスラム教のメッカとして多くの人たちがたくさん訪れておりました。
     私ども第三者にとりましては、単に物質的な石の壁である。嘆きの壁なんていうのは単なる石である。何の偏屈もございません。また洞窟であったり、あるいは古い遺物でしかありませんけれども、信ずる人にとってはこれは命の根源であります。魂のよりどころでございます。そんな感じを受けました。  以上の教訓にかんがみまして私が申し上げたいことは、本物の歴史的文化財は多くの人を引きつけ精神的感動を与える。そして観光資源としても極めて価値の高いものとなっているということでございます。熊本城復元に当たっても、このことに十分留意をしていただきまして、熊本城はあの天然の障害の中心にあります。毅然として建っておるあの威容は、私は、かつて参りましたハイデルベルクの古城、そしてまた今回参りましたユダヤの終えんの地、二千年前にユダヤの民族が最後の自決をいたしましたマサダの丘の悲劇、これをあわせ持っており、しかも、サンアントニオに行ったことはございませんが、アラモの砦、民族闘争の歴史を持っております。そういうものを私は、何かしら悲喜こもごもこれを集約して、民族の歴史の重みを熊本城は持っておるような感じがいたしました。すなわち、築城から今日まで、多くの歴史的事実、加藤から細川、そして我が国最後の内戦でありました西南の役、その前哨戦となりました神風連等々、先人の汗が、命が、血がにじんでおります。  また、私大正生まれでございますが、私にとりましては、お昼の午砲台のドン、これは一日の大きな節目でございました。この熊本城をできる限り正しく復元して、我が国の中近代歴史の遺跡として広く市民の協力を得て、世界に誇るものとしたいものでございます。  次に、エルサレム市はイスラエル国家の首都として、国会もございますし、行政機関もございました。しかしながら世界の各国はこれを首都と認めておりません。なぜかというと、それはいろんな問題があるわけであります。日本を初め世界じゅうの国々の大使館、公使館、それはみんなテルアビブにございます。首都のエルサレムにはないのです。これはなぜかといいますと、パレスチナとかヨルダンとか、そういうような国は、エルサレムは聖地でございます。我々の精神、魂のよりどころでございます。  したがって、イスラエルが勝手に首都とすることを許さないということを主張しているわけでございます。それゆえに、外国は首都としては認めずに、大使館、公使館は、わざわざ、かの有名な岡本公三さんが奮闘いたしましたテルアビブにございます。理由はともかくといたして、私は、外交とか交通とか、そういうようなものは主としてテルアビブにあり、政治はエルサレムにあるということを感じました。  これは、一昨年第一回議会で私が提示いたしましたアメリカのワシントンニューヨークの関係、すなわちワシントンは政治の中枢でございます。しかしながらニューヨークは経済の中心です。熊本市はワシントンあるいはエルサレム、そういうようなものに類似をし、福岡はニューヨークテルアビブに類似をしておる。すなわち熊本は文化と政治、福岡は交通と経済、こういうふうな個性の違った都市像が浮かび上がってまいります。  これまで九州の雄都たらんとして、福岡を追い越せ、福岡に負けるなと肩ひじ張った感がございました。しかしこれは愚かな努力ではなかったのではないかと思います。我が熊本は、先人の残した文化と自然の恵み、水と空気を大切にして、幸せを実感できるまちづくりこそ私は熊本市の目指すべき将来像ではないかと思う次第でございます。  以上、私の所見を述べて、市長の御見解をお伺いいたします。        〔市長 三角保之君 登壇〕 ◎市長(三角保之君) 諸熊議員にお答えをいたします。その前に、自衛官募集の問題について過去十回にわたって提言をしてきたというお話がございました。阪神・淡路の災害がございまして、急遽自衛隊の存在を、国民の皆様方に違う意味で御理解があったというふうに思うわけでありますけれども、我が熊本市は、その前から自衛隊の存在等々につきまして、やはり大変な親しさというか、そういう感じはあったと思うのです。しかも熊本市議会におきましては、諸熊議員、竹原議員、亀井議員を初め大変温かい提言をたびたびいただいておりました。  そういった関係、そしてまた市民の皆様方が、いろいろな師団とか連隊等々につきましての一つ一つの後援会ができておりまして、そういうぬくもりの中でのおつき合いがあったというふうなおかげで、阪神・淡路大震災についても、この地元をまず御心配をいただいたのではなかろうかと。そしてまた、地元を通じて、阪神・淡路に出かけていっていただいたと。そしてまた、我が県におきましても、十九号台風における水害、JR豊肥線の崩壊、あるいは風倒木の問題、大変な問題について御尽力をいただいておるわけでありまして、これはやはり県民、市民一人一人の気持ちがいつも通じておったのじゃなかろうかというふうに思います。  我が市におきましては、先ほど申しました、議員の皆様方のおかげをもって、大変な太いパイプでつながっておったというふうなことを、私は一月の十八日に実感をした次第であります。私の方から、行政を代表して御礼を申し上げたいと存じます。  ただいまは、イスラエルや世界各地の事例を交え、議員の幅広い経験と深い認識に基づく大変貴重な御指摘をいただいたところでございます。  議員御案内のとおり、長い歴史を人々とともに歩んできた史跡や建造物は、そこに暮らす者にとって物心両面のよりどころであると同時に、その誇りとなり、シンボルとなるものでありまして、本市の場合、この役割を果たしているのが、四百年の時を経てそびえ立つ熊本城であることは今さら申し上げるまでもないと存じます。  この熊本城には、現在、日本一の規模と言われる石垣や宇土櫓を初めとする十三棟の建造物が国の重要文化財の指定を受けて残されております。現存する姿の壮大さをもってすれば、それだけで十分に世界遺産に匹敵するのではないかとさえ思っているところであります。  私は、熊本城の最盛期の姿を目に見える形で再現したいと願うものであり、復元された建物を、熊本城の魅力の発信に有効に活用し、市民の皆様、ひいては全国の人たちに感動を持って知っていただきたいと考えているところであります。  このように、今後、熊本城の魅力を今以上に創造し、都市づくりに生かしてまいりますことは、本市の都市戦略上欠かせないものと考えております。  また、これに加えて、本市の発展の活路を開くかぎとなりますのは、九州の中央に位置する地理的優位性であり、この特徴をフルに生かした都市づくりに積極的に取り組まなければならないと考えているわけであります。このためには基幹となる交通軸の整備は急務であり、九州新幹線や高規格道路の建設などの広域交通インフラの整備につきまして、地域一丸となって国に要望してまいったところであります。  この結果、昨年、九州新幹線船小屋−新八代間が新規着工区間に認められ、県市民の悲願でありました新幹線建設が実現する運びとなりましたことは大変喜ばしいことであり、市民を初め議員各位に感謝申し上げる次第であります。  また、これまで都市づくりにつきましては、諸熊議員の質問の際、たびたび貴重な提言をいただいているわけであり、新幹線を初めとする広域高速交通基盤の整備が、徐々にではありますが始動した今、熊本駅周辺整備を初めとする中核市にふさわしい都市づくりに活用させていただきたいと考えております。  今後、国内外を問わず、都市間の連携と交流が頻繁となり、なお一層の都市の魅力創造が問われる中、私は、都市づくりの方向として、長い歴史にはぐくまれた貴重な文化、あるいは清冽な地下水や豊かな緑に恵まれた自然環境といった、他都市に見られない個性とバランスのとれた、すべての市民が幸せを実感できるまちづくりに鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  先ほど、福岡と熊本の例の中で、テルアビブニューヨークが交通、経済、エルサレムワシントンが政治、文化というお話がございました。私も大変実感をいたしているところでございまして、我々の方からそのことを言い出しますと負け惜しみというふうに言われますが、議員の先生方からそういう御指摘があったことに対して非常に豊かさを感じておりまして、精いっぱいそういう方向で今後頑張らせていただきたいというふうに思っておるところであります。  正月の新聞をごらんになりました市民の皆さん方で、この前市長室を訪れになりまして、自分は子供のころから熊本城の周辺で育ったと、先祖三代ぐらい前は熊本城にいろいろなものを納めておったというふうなお話をされまして、ぜひ復元する櫓の一棟を寄附させてくれという方もあらわれてまいりました。そしてまた、一口城主──一口城主をつくって、一万円なら一万円ずつやって、おれも熊本城主だというふうになりたいから、そういうものを広めてくれというふうな方々が数人おられまして、大変うれしい限りでありまして、早速そういう方向で実施もさせていただき、夢のあるまちづくりに向かって邁進したいと思っておるところでございます。どうか、議員各位の、今後とも絶大なる御支援を賜りますようお願いを申し上げたいと存じます。        〔三十六番 諸熊文雄君 登壇〕 ◆三十六番(諸熊文雄君) ありがとうございました。大変温かい、本当に心のこもった、三角市長でなければならないような回答をいただいたような感じがいたします。特に募集問題につきましては、一番悪かったのですよ、熊本は。それが、本当に今模範です。全国一です。募集相談員の委嘱状も地方連絡部長と併記して市長の名前で出していただいておる。非常にありがたいと思います。また、あさっては勇退者の激励会もやっていただきます。本当にありがたいと思います。  熊本城の再現、松崎さんが一括して寄附されました、この前のときには。あれもいいですけれども、みんなが一万円でもいいから、お城のためにという気持ち、これはまた本当にありがたいという感じでございます。どうか、ますますそういう面ですばらしい施策をやっていただきますようにお願いをいたしまして、次の財政問題に移らせていただきますが、私は財政問題については、もうこの問題は各先生方みんな今度おっしゃるようになっています。  特に我が新風自由民主党にとりましては、落水先生が後刻この問題については現状を分析しながら詳しく御質問をなさるようでございますので、そちらの方に譲りまして、私は視野を変えまして、本当に今困っておる、一人当たり四十万円を超える熊本の借金をどうしていくか、どうすればいいかと、そのようなことを具体的に実例を挙げて、あたかも、今から二百年ぐらい昔にがねまさどんが禁きら金をやったようなことを申し上げてみたいなと、このように思います。  昔から「入りをはかって出るを制する」という言葉がございます。この原則に基づきまして宝暦の大改革をなし遂げ、行き詰まった細川財政の再建を図った堀平太左衛門、この人は上司の抵抗にもめげず──もっこすです。一部の反感や妄動にも負けることなく徹底したけちけち緊縮財政を実行し、今なおがねまさどんの横ばいばいと歌に残るほど徹底した禁きら金政策、あわせて行政、司法の改革も見事にやってのけられまして、難関を乗り越えておられます。  今日、この難関を乗り越えるためには同じような努力が必要である。さらにまた市民の理解と協力を得なければならない。そのためには私は、議会みずからが議員定数を削減をしていただきましたように、市職員の数もやはり適正と言われる、市民百人に一人という目安がございます。そういうようなものを目安にして、早期にやはり実現をしていくようにしなければ市民の協力は得られない、理解は得られないと思います。  さらにまた、公的立場にある者はみずからを戒め、厳しく律し、堀平太左衛門が、朝はおかゆ一わん、そしてまた刑罰を改めるに当たってはみずから肌を脱いで懲罰の刑を受け、百たたきの刑を自分で実行をして、そして改正をしたということが言われております。どうか、職務の遂行に当たっては誤りのないように、このごろ誤りがしばしば指摘されておりますが、誠心誠意を持って努力をし、市民の信頼をかち取ることが必要ではなかろうかと思います。  香川県の観音寺市の加藤元市長さん、私はお会いしてお話をいたしました。行政は企業だ、行政は企業体と同じ、会社が利益を追求するように、徹底した原価計算方式をとり、財政の再建を図られました。てんぷらの加ト吉ちゃんというこの愛称とともに、広くその名を知られておるところでございます。そのような意味で私も、けちけちということではございませんけれども、財政の現状について、特に新風自由民主党は、箱物と新しい事業はやめようではないかということで、これまで自粛をしてまいりました。今回も市営住宅の見直しについて論議をいたしました。それが今度の予算案ではちゃんと削られておる。大変評価をしております。  昨年の九月の市議会におきまして、一番前に座っていらっしゃいます重松議員が、事業のめどの立っていない用地については、これは徹底的に指摘をしなければならぬということで質問をなさいました。私もその資料をお借りをいたしました。熊本市でほとんど利用されていない市有地あるいは公園、そういうようなものを含み、自分の仕事柄調査をしてみました。そのすべてをここで申し上げる時間はとてもありませんので、三つだけ代表して申し上げます。  その一つは、熊本市新屋敷三丁目十五番一の土地二百六十平方メートル、これは昭和四十四年二月十四日、土地区画整理法によって、換地処分によって熊本の市有地となっており、現在まで三十年間空き地のまま放置をされております。一方、その近くにあります県有地、これはちゃんと舗装して駐車場として賃貸しております。有効に活用されており、県の収入源となっており、また市民からも大変喜ばれております。  私は、三角市長は県議の御経験がありますので御承知と存じますが、県の米村企業局管理者のところに参りまして、お話を伺いました。新屋敷は月決めで一台一万円、申込者が多くて困っておるというお話でございました。  この間重松議員が指摘をされました熊本市の空き地、三万平方メートルございます。全部が全部駐車場として使うことはできないかもしれませんけれども、使えるところも多くあります。これを財団法人熊本駐車場公社に委託をして、月決めで民間に貸す。そうすると、恐らく一千万円ぐらい毎月収入があるんじゃないかと。市民からも喜ばれるのじゃないかと。まさに一石二鳥だと。そのときに、決して権利が後に残ることがないように月決めで契約をしていただく。そういうようなことをしていただければなと、このように思って後刻回答をお願いいたします。  次に、西原一丁目の十番四号の土地、これは公園ということになっております。しかしながら、現地に行ってみましたら全く別でありました。道路ののり敷き、それと松林とクヌギ林でございました。全く公園のていをなしておりません。これはなぜそうなったか。それは都市計画、開発計画に無理があった。そんな感じがいたします。しかし、そうであれば、やはり道路は道路として、あるいは雑木地は雑種地として早期に改正する。これは不動産登記法第八十一条に、変更があってから一カ月以内に変更の届け出をしなければならないと決めてある。しなかったら一万円以下の罰金です。どうか、現況に合うように早急に処置をしていただきたい。  さらにもう一つ、まことに不可解な土地がございます。それは神水本町四百五十番の土地。熊本市が売買によって、買い主として現在の権利者を代表し、代位権限に基づきまして所有者の表示変更の登記をしてございます。その記事が除籍登記簿にちゃんと記録をされております。しかしながら現在のところ、今でも旧所有者のままになっておる。一遍買った権利のあるその人が、手続をしておりながら、いまだに所有権が移転をされていない。どうしてかなと不思議でございます。地元では、これは道路の一部ではないかと言われております。どうか徹底した調査をお願いしたい。これは前一遍お願いしたのですけれどもね、なかなかできませんでした。どうかもう一回速やかにやっていただきたいなと、このように思います。  ほかにも類似した土地もございます。しかしながら、そういうようなことでございますので、正すべきものは速やかに正し、もっと有効適切なる財産の管理を図るべきであると思います。  なお、これに当たってはいろいろとまた調べなければならない問題がございます。人手が不足であるということもありましょう。そういうときには、土地家屋調査士とか行政書士とか、司法書士会等公共嘱託協会もございます。大いに活用をしていただきたいなと、このように思います。関係局長の答弁を求めます。        〔総務局長 野田晃之君 登壇〕 ◎総務局長(野田晃之君) 保有財産の有効活用についてのお尋ねでございます。  市有財産の管理及び運用につきましては、市民の貴重な資産といたしまして、その適正な管理と効率的な運用に極力努めているところでございます。  御質問の中で、具体的な例で示されましたとおり、個々の財産の具体的管理運用につきましては、その財産の沿革、経緯等その状況はさまざまでございますが、その実態に応じた適切な管理運用が必要になってくることは申すまでもないところでございます。  御質問の未利用の土地につきましては、これまでもその活用が見込めるものにつきましては関係部局との調整を積極的に進め、その活用の促進を図るとともに、将来にわたり活用の見込みのない土地につきましては、地域の同意を得て払い下げを検討するなど、その有効活用に努めているところでございます。  なお、ただいま未利用の土地につきまして駐車場としての利用を考えたらという御提言でございますが、熊本県の例も御紹介いただきましたので、その対応につきまして調査を進め、市有財産有効活用につきまして検討させていただきたいと存じます。  また、登記手続等事務処理をする上での公共嘱託登記共同協会の活用でございますが、これまでも同協会に委託して事務を行っているところであり、今後とも円滑に事務を推進するため、その活用を図ってまいりたいと考えております。  その他二点ほど御指摘がございましたが、これにつきましては関係部局ともども実態の調査を進めさせていただきたいと存じます。        〔三十六番 諸熊文雄君 登壇〕 ◆三十六番(諸熊文雄君) ただいま、大変細かい、重箱の隅をつつくような話をしました。しかしながら、それについて総務局長、本当にありがとうございました。やっぱり一番困っているのは市民なのです。市民が、市の土地があるがために、公園になっておる、あるいは市の土地がある、そのために道路に接続していない、あるいは狭くて建築基準法の許可がおりない、いろんな問題が起こっております。要らぬところはもう払い下げていただいてもいいです。これは住宅協会の土地についても同じだと思います。ひとつ前向きで、今お話いただいたような解決方法、場合によっては払い下げも辞さないということでございます。大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  今度は少し大きな問題でございますが、国を揺さぶるようなことで質問をさせていただきたいと思います。教育の問題です。  私は、戦時下の行為ほどその立場によって評価の異なるものはないと思います。その一例を申し上げますと、我が郷土出身の堀内豊秋大佐のことでございます。堀内大佐は海軍体操の創始者でございまして、初代の落下傘隊長としてメナドに降下し「神兵天下る」と称賛され、江田島の海軍兵学校跡の第一術科学校の教育参考館に、東郷元帥や山本五十六元帥とともにその遺影を飾られております。そのお姿は、ドイツの有名な画家ストラッセル・ローランドという人の作でございまして、新風自由民主党皆さん方はもちろん、自由民主党の先生方もこの遺影をごらんになっております。そして深い感銘を受けられ、今なお記憶に残されているものと思います。  その堀内大佐は、軍政に当たっては、税金を半減し、塩のつくり方を教え、三百四十年続いたオランダの支配から独立する気概を現地の人たちに植えつけられ、地元の人たちからは神様と尊敬されております。  また、捕虜の取り扱いに当たっては温情を旨とし、国際条約に違反するがごときことは厳しく戒められていたにもかかわりませず、オランダの軍事裁判によって昭和二十三年九月二十五日メナドにおいて死刑執行になり、ブーゲンビリアの花と化せられております。  私も、今回、私の及ぶ限り堀内大佐のことについて調べてみました。大佐を誹謗するようなことはどこにも見当たりません。その生涯は、我々凡人の遠く及ばないところで、大分の広瀬中佐や長崎の橘中佐に比肩する偉大なる聖人であるという感じを受けました。本当に頭が下がる思いがいたしました。私はまた誇りにも思いました。  仏文学者の辰野隆先生は、「歴史の実相を知るには、その時代に身を置くことが肝要である。」と述べておられます。私もその時代に生き、同じ体験をした一人として、正しいことは正しく、間違ったことは反省をして厳しく戒める。そして後に続く世代に正しく伝えることが一番大切ではないかと思い、私の残り少ない人生を、精いっぱいそのために使っているつもりでございます。  去る一月二十六日、橋本総理、韓国の金大統領と別府で会談をなさいました。そのときに金大統領は「過去は消すことも隠すこともできない。」と言われました。私も過去の事実を率直に申し上げてみたいと思います。  私はさきの大戦で、航空兵の一兵卒として第五航空軍に所属し、朝鮮の防衛に任じました。司令官は李王銀という中将でした。朝鮮を守るために私は自分の生命をささげることに何らの抵抗も感じませんでした。それは、朝鮮に対して全く私は差別がなかった。一緒だと思っておったからだと思います。また、私の周りにおった朝鮮のお年寄りの人たちは「日本人、朝鮮人、皆一緒だ、天皇陛下も太陽も皆一つだ。」とよく言っておりました。幸いにして朝鮮は戦場になることもなく私は無事に復員することができました。  昭和二十五年、突如として朝鮮戦争が起こり、ソ連と中共の支援を受けた北朝鮮軍が圧倒的な人海戦術をもって、韓国軍やアメリカ軍を駆逐して釜山の周辺まで占領してしまいました。私は、もうこれは危ないという感じをしておりました。そのときに、マッカーサー元帥の指令により、警察予備隊が発足いたしました。私は、少しでも韓国のためにお役に立つことができればと警察予備隊に志願したのです。自来今日まで四十七年。時によっては温度差もありましたけれども、我が国と韓国の相隣関係のために一生懸命努めてまいったつもりでございます。  おかげさまで、民間における関係は極めて友好的であります。  私が所属する熊本東ロータリークラブは釜山東クラブと姉妹関係を結んでおりまして、相互に訪問し友好関係を深めております。また、平成元年十月自由民主党で韓国訪問をしたことがございます。そのとき空港に出迎えてくれたのは、村上裕人元議員の韓国の友人二人でございました。戦争中に韓国の友人に対して村上元議員が本当に親切に世話をした、それに対する感謝の気持ちで、在韓中親身になって私どもの世話をしていただき、その義理がたい行為に胸が熱くなるのを感じました。  このように、民間においては非常に良好な友好関係が保たれておるにもかかわらず、竹島の問題あるいは従軍慰安婦の問題、なぜ起こるのでしょうか。私が兵隊として朝鮮におったときには公娼制度がございました。遊郭もございました。従軍記者、従軍看護婦という名前はございました。しかしながら、従軍慰安婦なるものは聞いたことがありませんでした。  四月から使用される中学生の社会の教科書に従軍慰安婦なる言葉が出てまいりますが、年端もいかない中学生にこのようなことを教えて果たして教育的効果があるでありましょうか。二十一世紀を背負う子供たちに、希望と誇りを持たせるために果たしてこれでよいのでしょうか。  誤った教育を行った結果、子供が大変間違った認識をしている例をここで御紹介をいたしたいと思います。  熊本市立のある小学校のPTAの広報紙に載っておりました子供の手記でございます。長崎に修学旅行に行き「原子爆弾を、アメリカは日本以外の国に落とす計画であったけれども、日本がずるいことをするから、日本に落とした。」と書いておりました。アメリカは当初から、日本との戦争を早く終結させるためには原子爆弾が有効であるという考えから、昭和十九年九月一日、ルーズベルト米大統領とチャーチル英首相は、ハイドパークの会談におきまして、日本に原爆を投下することを既に決めております。トルーマン大統領もこの方針にのっとり、ハリソン陸軍長官に指示しております。当初から日本を目標としていたことは明白であります。にもかかわらず、なぜ子供たちがこのように間違った印象を受けたのでしょうか。  アメリカの原爆を正当化し、日本が悪いことをしたから罰として日本に原子爆弾を落とした。そのために多くの市民が死亡したという間違った受け取り方をしており、私はこれを読んでびっくりしました。東京裁判の判事ラダビット・パール博士は、「アメリカは、原爆を投下しなければ多数の連合国軍兵士が死ぬことを強調して、日本人の男女の別、戦闘員、非戦闘員の区別なく無差別に殺した。白人の兵士の生命を助けるため幾十万の非戦闘員が虐殺されることはどういうことなのか。」と言っております。  外国の人ですらこのように原子爆弾を誹謗しているのにもかかわりませず、日本人が無差別に殺されながらどうしてこのような自虐的考えになったのか。これは何か長崎の原爆資料館に間違ったものがあるのではないか。急遽私は、先月、長崎原爆資料館に調査に行ってまいりました。原爆資料館に参りまして、向こうの市の自民党の議員の先生、あるいは担当の方々に御説明を聞きまして見せていただきました。  原子爆弾の悲惨なる被爆状況が生々しく展示されており、地球上から核兵器をなくすることが大切であるという印象を深く受けました。その反面、原子爆弾には直接関係のない日中戦争、太平洋戦争のコーナーがございました。自虐的な印象を与える展示物、あるいは解説等が子供たちに間違った印象を与えるおそれがあるということを感じました。  熊本市の小学校はほとんど総じて例外なく長崎に修学旅行に行っております。修学旅行は子供たちにとって終生忘れることのできない貴重な体験学習でございます。正しい歴史観のもと、健全な子供たちを育てるために、修学旅行の行き先について再検討をすべきではないかと思います。もう長崎が四十年ぐらい続いております。私の長男が帯山小学校に入ったときからずっと長崎でございます。  私見でございますが、鹿児島の知覧あるいは明館、あるいはあのすばらしい郷士を生んだ郷士教育のところもございます。どうか、この際、もう一回改めて検討していただきたいと思います。教育長の御見解を求めます。        〔教育長 後藤勝介君 登壇〕 ◎教育長(後藤勝介君) 答弁に先立ちまして、私も一人の日本人として考えております。どうしてこのようなことがいつまでも議論されるのでありましょうか。私はやはり、正しい事実は正しいものとしてきちっとした結論を出していく必要があると思います。いつまでもお互いに、双方が議論しておりますならば、日本を背負う子供たちのためにまことに不幸だと思います。正しい事実を正確に理解しながら将来のために努力していく必要があると思います。        〔議長退席、副議長着席〕  以後、教育長としての答弁を申し上げます。  ただいま、長崎の原爆資料館の展示物が子供たちに間違った印象を与えるおそれがあるので、修学旅行の行く先を再検討してはどうかというお尋ねであったと思います。  小学校の修学旅行は長崎、佐賀方面に行き、吉野ケ里、有田焼、原爆資料館、長崎港などを見学し、歴史、文化、産業などについて学習をしております。また、中学校はほとんどの学校が山口、広島方面に行き、秋吉台、原爆資料館、宮島などを見学して学習しておりますが、阪神・淡路大震災の後は神戸市で震災体験学習を行っている学校もございます。  修学旅行は事実を正しく理解し認識する貴重な体験学習の場であり、また集団活動の場でもあります。旅行は各学校で計画し実施しておりますが、今後とも、より有意義な教育活動の一環となりますように、目的、行き先、内容、経費等の観点からさらに研究してまいりたいと思います。        〔三十六番 諸熊文雄君 登壇〕 ◆三十六番(諸熊文雄君) どうもありがとうございました。私の期待していたとおりの教育長のお人柄でございました。教育長の個人的なお考えもあわせて回答していただきました。  私は、この問題は、この議場だけでなく、これは長崎の市議会が非常に注目をしておる。私のところに問い合わせも来ております。教育長の回答のいかんによっては、長崎は、これは原爆資料館のあり方を見直さなければならないのではないかということも考えておるようでございます。非常にありがたい。  ただし、私はもう少し、強いて申し上げますならば、ぜひ子供たちのために、学校が決める修学旅行の行き先ではあると思いますけれども、教育長みずから関係者ともども行っていただきたいなと思います。そして、実態をよく認識をしていただきたい。そのようなことがなされれば、一番やっぱり気にしておるのは長崎。なぜかと言うと、修学旅行を熊本が全部取りやめたら大事になるのですよ。ですから、正しくするように、一生懸命に長崎市会議員、自民党の人たちは頑張っております。なかなか簡単にいかぬところもあります。そういうところが是正されるのではないかなと思います。どうかひとつ、教育長よろしく。現地にまた行っていただきたい、このように思います。  さて、次は、環境の保全についてお尋ねを申し上げます。  環境問題は人類の生存を左右する大きな問題であり、人間は産業革命以来自己の便益のために地球を汚染し続けてまいりました。その結果が、温暖化現象となり、あるいはオゾン層の破壊となって地球にいろんな変化をもたらしつつあります。私はこの現況を深く認識し、一刻も早く、根本的に地球環境保全対策を実施しなければならないと憂慮するものであります。  昨年も一昨年も第一回議会において申し上げました。それは、ドイツの人たちはつとにこの問題に着意をいたしまして、フライブルク市におきましては、ごみは一切燃やさない。生ごみはすべて発酵させて堆肥をつくり、その過程において発生するメタンガスでお湯を沸かして市民に給湯する。紙や布は再生し、瓶や陶器は再使用する。コンクリートやれんがは、全部粉砕して骨材として市の工事に使用しておりました。日本で手をやいておるごみは完全に資源化しており、捨てるごみは一切ないとの市長の説明でございました。  また、自動車の排気ガスを少なくするために、三分以上停車した場合にはエンジンをストップするように規則で定められており、郊外から市内に向かう自家用車は、要所要所に広大な駐車場が準備されており、パーク・アンド・ライド方式で公共交通機関に乗りかえるような制度が定着しておりました。  一方我が国におきましては、和歌山県で名産の梅が立ち枯れしつつあるという問題が起こっております。広島大学で調査した結果、大気中のばいじんに周辺の三十倍の重金属が含まれていることがわかりました。その原因はどこにあるかはっきりいたしておりません。多分御坊市の発電所の煙ではないかなというようなことは言われておるようであります。熊本市でも西と東に清掃工場が、フル回転で煙を出しております。そのばい煙の分析調査はどうでしょうか。周辺に及ぼす影響はないのでしょうか。  また、世界保健機関(WHO)は本年二月ごみ焼却施設から発生する煙にダイオキシンがある、そのダイオキシンに発がん性があると発表しております。ダイオキシンの有無についてもお尋ねを申し上げます。  次に自動車の排気ガス。  東京都においては四百台のアイドリングストップバス。これはとまったときにクラッチを離すと自動的にエンジンがとまるという自動車です。東京都はこのエンジンを今後とも導入するということを言っておりますし、現在稼働中のバスにもこの装置をつけるという計画があるようでございますが、熊本におきましても、東京都を見習い、アイドリングストップバスを導入するように要望をいたすものであります。  次に、兵庫県におきましては、停車中のアイドリングを禁止し、これに違反した者は十万円以下の罰金という規定を昨年の七月に決めて施行されております。また、岡山県では運送業者グループが、平成五年からエンジンカット運動を起こして、三十秒以上停車する場合はエンジンを切る。それによって燃料の節約を図り、実績を上げたという報告がなされております。  熊本市ではいかがでしょう。この市庁舎裏の立体駐車場、エンジンはかけっ放し、そういうのがおります。私はそれを見かけて注意をしました。中にはだれもいないのにエンジンかけっ放しというのもあります。そういうときに注意をすると、悪いことはちっともしてないのに何でお前は注意するのかという顔をされます。これについては何らかの規制が必要である、あるいはそういうことは悪いことであるという認識をしていただく、そういうことを認識させる方法が必要である、このように思います。  立体駐車場等大気が滞留する場所、そういうところにおいてはエンジン停止の規則を定めるか、あるいはそういう大きな看板をつくるか、そのようなことが必要ではないかと思います。環境保全局長の回答を求めます。  次にごみ問題。  もったいないという言葉が私たち子供のころから言われておりました。しかし今やその言葉がもう死語になった。使い捨てがいいというようなことでございます。ごみはふえ続けてまいります。熊本市におきましてもごみ袋の透明化により一時は減少しましたが、再び増加の一途をたどっております。かつて、「ごみを制する者はその都市を制する。」と、ある有名な市長がございました。「武士道とは死ぬことと見つけたり、ごみ問題は市民の自覚と見つけたり」これは、一月二十九日新風自由民主党の政調会において矢毛環境保全局長が残した心に残る名言でございます。その言葉のとおり、年々歳々ごみ処理に要する経費は増加し、今市民一人当たり一万二千円かかっている。さらに将来は施設の修理──莫大な金を要する。  再びドイツの例ですが、ドイツでは徹底した分類処理をして生ごみは出さない。これは各家庭が完全にやっているんですよ、それが大事なんですね。ところが、聞くところによりますと、東ドイツは社会主義経済のときには、今の日本と同じような認識だった。それが、合併後教育をした。そして今西ドイツと同じようにするようになっとる。だから啓蒙が大事なんです。教えることが大事です。  矢毛局長がいろんなことを、うんちくを傾けて考えていらっしゃるようでございますので、ぜひ発表していただきたい。  なおまた、帯山地区におきましては、有志の方々が有機的生ごみ処理を、酵素を使って極めて効果のある処置をなさっております。これらを参考として、市民の協力を得て最も適切なるごみ処理方策をとられるように、これについてもあわせて環境保全局長の回答を求めます。        〔環境保全局長 矢毛隆三君 登壇〕 ◎環境保全局長(矢毛隆三君) 諸熊議員の三点の御質問についてお答えいたします。  最初に東西両環境工場の排ガスに関するお尋ねでありましたが、ばいじん、塩化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物につきまして、大気汚染防止法や熊本県公害防止条例で規則されております。排ガスの分析結果では、両工場のばいじんは排ガス一立方メートル当たり〇・〇一グラム以下の濃度で、〇・一五グラムの規制値に対し十五分の一以下の値を示しております。他の項目につきましても同様に大きく下回っております。  また、ダイオキシンにつきましては、今年一月に新ガイドラインが策定されたところであり、特に既設焼却炉の緊急対策の必要性の判断基準として、人体に対する健康影響の観点から排ガス一立方メートル中のダイオキシン濃度が八十ナノグラム、すなわち一億分の八グラムという基準が示されております。八年度の東部環境工場のダイオキシン排出濃度は、一号炉、二号炉の平均で〇・〇七ナノグラムであり、判断基準値八十ナノグラムの一千百五十分の一の値を示しております。また西部環境工場では、平均九ナノグラムの値でございまして、基準値の九分の一ということでございます。
     西部環境工場につきましては、ダイオキシンの発生をさらに抑制するための恒久的な対策として、新年度予算に計上いたしております基幹的施設整備におきまして、電気集じん機をバグフィルターに変えるなどの新ガイドラインに沿った整備を計画いたしているところでございます。  続きまして、自動車のアイドリング対策についてでございます。いわゆる自動車の排気ガス対策について御答弁申し上げます。  近年のモータリゼーションの進展は、その快適性、利便性と引きかえに、交通事故はもとより、排気ガスによる大気汚染、騒音、振動、さらには地球温暖化の問題や酸性雨等さまざまな環境問題を引き起こしておりますことは議員御案内のとおりでございます。これらの自動車公害は、私たち一人一人が加害者であり、また被害者にもなるという、今日の複雑な環境問題を象徴していることでございます。  議員御指摘のアイドリングストップ運動は、大気の保全のみならず、省資源、省エネルギーの観点からも非常に有効な運動であり、まさに環境保全都市宣言にうたわれております市民行動規範の具体的実践行動であると考えております。  本運動につきましては、熊本市の観光施設等におきましてモデル的に実施することといたしております。現在、関係機関と協議を進めているところでございます。  次に、市民啓発についての御質問でございますが、これまでも市職員を対象にしたアイドリングストップやノーマイカーデーの実施、さらには、現在、通勤者を対象にパーク・アンド・ライドの試行を実施しているところであります。  今後とも、あらゆる広報媒体、あるいは環境イベント等で意識啓発を図るとともに、六月の環境月間、十二月の大気汚染防止推進月間をアイドリングストップ運動の強化月間と定め、環境保全に対するなお一層の意識の高揚を図ってまいりたいと存じます。  なお、現在、熊本県と共同で策定中の自動車交通クリーン推進計画の中でもアイドリングストップを重点施策の一つとして位置づけ、法令化の検討も含め啓発に取り組んでまいることといたしております。  次にごみの減量対策、有効利用についてお答え申し上げます。  ごみ処理対策については市民の皆様の協力が絶対に必要条件であります。そのための具体策につきましては、山本五十六元帥の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」という名言がございます。私もない知恵を絞りまして、その減量対策、有効利用に取り組んでいく覚悟でございます。  議員御案内のとおり、ごみの排出量は平成四年度、五年度がほぼ横ばい状態でございましたが、六年度四・二%、七年度三・一%の伸びを示し、八年度についても四%台の増加を見込んでおります。  このままごみがふえ続けるならば、平成十六年度におきましては新たな焼却施設が必要になるものと予測いたしております。そうなれば建設費に数百億円の出費は避けられず、市民の皆様に多大の負担を強いることとなります。  そこで、これまで以上にごみの減量やリサイクルの推進に向けた施策を講じてまいる所存でございます。  ごみをただ単にごみとして処理するのではなく、再び資源として利用することが望ましいことであるわけでございます。中でも市民や事業者の皆様のごみ減量やリサイクルの実践が最も求められているところでありますので、五月にオープン予定のリサイクル情報プラザにおきまして、帯山地域などで実践されております生ごみの堆肥化の講習会を開催するなど、積極的に啓発活動を行ってまいりたいと思っているところでございます。  このように、ごみの発生抑制に努めた上で、出されたごみはできる限り原材料としてのリサイクルを図る。原材料として利用できないごみについては、ダイオキシン対策などの環境保全に重点を置き、燃料としてのリサイクルを行う。そして、最後に残ったごみについては安全かつ適正に処理を行う。これを基本としてごみ行政に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。        〔三十六番 諸熊文雄君 登壇〕 ◆三十六番(諸熊文雄君) ありがとうございました。私もここに書いておったのですが、山本五十六元帥の言葉は。言わんでよかったなと、ちゃんと矢毛さんのためにとっておいたなと、こういう感じがいたしました。  山川草木国土悉皆成仏という言葉がございます。草も木もみんなそこには仏が宿っておるんだと。これはもう矢毛さんが一番お手の物の言葉であろうと思います。それをお返しをしておきます。山川草木国土悉皆成仏。みんな仏様の命が宿っておるその品物──品物ではないですね。その草も木もすべてのもの、それが生きておる仏である。大事にしなければというような感じで、そしてごみもまたその中に包含されるものであると思います。  本当にすばらしい矢毛局長が、私の思っていることをみんな言っていただいたような感じがいたします。残念でございますが、やめられる。きのうも随分送る言葉がございましたので、あえて私はここで申し上げませんけれども、本当に感謝をいたしておりますが、今後とも、この問題は永遠に続く問題でございます。地球のある限り、人間の生きる限り続く問題でございます。どうか、熊本市をおやめになりましても、生きる限り、生まれ変わってきたそのときもまた、お互いに解決していかなければならぬ問題ではないかと思います。よろしくお願い申し上げます。  さて次は、観光の問題でございますが、熊本にとりまして観光は主要な産業でございます。労働時間が短縮をされて暇がどんどん多くなってまいります。にもかかわりませず、熊本市の観光客は、平成三年が五百七十七万人でピークでした。年々歳々減り続けまして、平成七年には四百二十四万人と減ってきました。今後、観光の振興策が強く求められるところでございます。  その減少原因を考えてみますと、見る観光から体験して楽しむ観光へとニーズの変化もございます。しかしながら、もっと根本的なものは、受け入れる側の接遇の問題じゃないかなと思います。  先般、あるエージェントが、全国の県別のホテルや旅館のサービスの度合いをアンケート調査をいたしましたところ、一番は長崎県でした。一番どんじりは熊本県と茨城県と秋田県でした。秋田県、茨城県には申しわけありませんけれども、熊本県にはそういう県にないところのお城や水前寺や阿蘇がございます。何とかしてこれを復元しなければならない、このように思います。  天下に誇る名城熊本城、名水水前寺、世界に誇る名だたる大阿蘇、ロマンに満ちた天草など、すばらしい観光地を有する熊本を、その県の中心にある熊本市が、サービスの点におきまして全国一を目指して、ホスピタリティーの向上に努める、これが一番大事じゃないかと思います。行政の面でなかなかやりにくい点もあろうかと思いますけれども、大いに努力をしていただきたい。  今観光地で、世界で一番人気があるのはイタリアのミラノと聞いております。ミラノと熊本は非常に似た点がある、雰囲気が似ているという感じでございます。ドーモという古い古い教会がございます。その教会や古い街並み、あるいは高いアーケード、もう百年も前につくられました大きな大きなアーケード、そしてその先に重厚なスカラ座、まさに古い文化の中に新しい商店街がこれに入っております。これに対しまして熊本も、熊本城が復元をされる。天下の名城。そして古い文化の香り漂う上通、新しい下通、それを結ぶアーケード、その上に親切で明るいサービス、治安の点一点ではミラノに比べものになりません。本当にミラノは、私も駅の前をうろうろしましたけれども、若い連中がたむろしております。雨が降っております。早朝でございました。何事かと思って、ぬれている四、五人の青年のところに行きましたら、何とそれは、麻薬を注射してそこで寝ておる連中でありました。これに比べますと熊本は何とすばらしい治安のまちでございましょうか。熊本はこういうことを整備すれば、名だたる観光地になって、ミラノに負けないようになると思います。  湾岸戦争でアメリカの観光客は激減をいたしました。減ってしまいました。そのときにブッシュ大統領は、テレビで全世界に呼びかけて、観光客に来ていただくように一生懸命に宣伝をされました。そのおかげで、年間観光客は四千五百万人、九十五兆円の収益を上げたと言われております。  三角市長も先般、大河ドラマや釣りキチの誘致など、そのお人柄から気さくに大変あちらこちらで努力をされておるようでございます。さらにまた、ブッシュ大統領のようにトップの宣伝も必要ではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上につきまして経済振興局長の御所見を求めます。        〔経済振興局長 坂田憲一君 登壇〕 ◎経済振興局長(坂田憲一君) 諸熊議員の御質問にお答えいたします。  観光客の受け入れ接遇、ホスピタリティーの向上について、ソフト面からの御質問であったかと思います。  観光振興にとりまして、ハード面の施設の整備はもちろんでございますけれども、それにも増しましてソフト面の対応が非常に重要であることは十分認識をいたしております。  よく旅は宿で決まると言われておりますように、訪れた観光客をいかに温かく気持ちよくもてなすか、これは観光客受け入れの基本的なことであろうかと思います。御指摘をいただきましたエージェントのサービスに関する調査におきまして熊本の評価が極めて厳しいとの結果でございますが、非常に残念なことであり、このような事態を本当に真摯に受けとめております。早速業界と一体となりまして改善策を図りたいと思っております。  ここ数年来、旅館、ホテルの管理者や社員の方々、それにタクシードライバーを対象といたしました受け入れ接遇研修会やセミナーの実施をやっております。ややマンネリ化の嫌いがあるわけでございますが、こういったことも含めまして、今後は、業界の意見をやはり十分取り入れる中で、もう少し見直しをやりたいというふうに考えております。  そして、間近に迫りました世界男子ハンドボール大会、それに平成十一年の国体、さらには平成十二年の高校総体など大型の大会ものが予定されておりまして、観光客を初め関係者の方々が多数熊本を訪れるわけでございます。これまで以上にホスピタリティーの醸成を図りたいというふうに思っております。  さらに、熊本国際コンベンション協会でも、観光・コンベンション客を温かく迎えるための観光ボランティアガイドの設立化に向けてただいま検討を始めております。  議員御案内のように、イタリアのミラノの観光客を引きつける魅力についてただいまお触れになりましたけれども、熊本もそのような風情ある人情豊かな、そして魅力あるまちづくり、人づくりを目指して、すばらしい観光都市になるよう、業界あわせて、今後いろんな意味で努力をしてまいりたいと思っております。        〔三十六番 諸熊文雄君 登壇〕 ◆三十六番(諸熊文雄君) ありがとうございました。お客を呼ぶというのは大変難しいことです。しかし、一遍、あそこはすばらしいという評判が立ったら、どんどん来ていただけると思います。今、いろんな立場から御尽力していただいておるようでございます。どうか引き続きよろしくお願いいたしますとともに、三角市長のあのバイタリティーに、ひとつブッシュさん以上に観光面でもよろしくお願い申し上げます。  次の福祉問題についてお願いをいたします。  高齢化社会の急速な到来によりまして、老人の健康が医療保険制度に及ぼす影響が極めて増大してまいりました。きょうの産経新聞を見ておりましたら、八兆四千万円ですね、六十歳以上のお年寄りがお使いになりました医療費。大変な金でございます。今や、老人自身のためにはもちろん、若い人のためにも、高齢者が健康で明るい社会を送ることが重要な社会的課題となってまいりました。  そのようなときに、平成八年九月から、他に先駆けて、七十歳以上の高齢者に対して、市内の電車・バスすべて無料のさくらカードが交付をされました。私は、その実施に当たりまして、本会議におきまして、札幌市の例を挙げまして、事前に慎重に検討してやらないと、将来の負担増にもつながる、そういうことを考慮した上で開始すべきである、一たん始めた福祉事業は、これをとめたり縮小することは極めて困難である旨を申し上げました。  去る三月四日、熊本日日新聞によりますと、さくらカードの利用者が予測の二倍、民間会社はもう現在の予算ではとてもこれはやっていけないという記事が載っておりました。さくらカードが大変たくさん使われている。高齢者が健康でどんどん利用しているその証左である。それによって医療費が減少する。そういうことになるのではないかと半ばうれしく思いました。  昨日奧田議員の質問がありましたけれども、奧田議員の試算によりますと、体重が五十五キロのお年寄りが一キロメートル乗るのに、電車の場合は電気代が十七銭、バスの場合は軽油代が十六銭でありました。今まで乗らなかったお年寄りが、たとえ安い料金でありましても、乗ることによって、その分増収になるのではないかなと思います。また社会的に寄与しているその企業も、大変いいことである、意義の深いものであると思います。  二十一世紀は社会とともに栄える企業、自分だけ栄える企業はだめであります。社会とともに、国とともに栄える企業でなければ生きていけない時代が二十一世紀であると思います。  ドイツのフライブルクでは、たった一枚のカードで、バスも電車も国鉄も乗れる。しかも一枚で家族全員が乗れる。そういう制度を行っております。  せっかく始めた新しい三角市政のヒットです、これは。さくらカードのおかげで元気に外に出かけるようになった。小銭も心配せんで、見えにくい料金表も気にする必要もなくなって安心して乗っておりますと、うれしい声を聞きます。何とか今の問題を解決して、継続していただきたいものであると思います。それが高齢者の健康対策にもなるのではないかと思います。  さらに続きまして、その高齢者の健康対策について少し触れてみたいと思います。  いかに長生きをいたしましても、病院の中での生活、ベッドの上での生活では幸せではありません。元気で社会に寄与して生きがいを感ずるものこそ、お年寄りに喜びと生きがいを与え、希望を持たせるものではないでしょうか。病院に行くのをやめて、そして農林局で世話しておる農園に行った。おかげで健康になりました。あるいは霊芝を一生懸命つくって、自分で飲んでおったらすっかり元気になりました。  元気な老人対策について──病人の老人対策は一生懸命考えておられますけれども、寝たきり老人とかいうものについては考えていただいておりますけれども、この元気な老人対策、これについて市民局長の御所見をお願いをしたい。  次に、福祉コミュニティーセンターの設置につきまして。  これは田尻市政のときに呱々の声を上げたものでございまして、今回三角市政で始められたさくらカードとともに老人に大変評価をされております。いずれの制度も厳しい財政状況のもとに始められたものでありました。それだけに、その恩恵をあまねく広く公平に与えることが大事だと思います。さくらカードにつきましては、一定の年齢に達したならば、また身体的条件が適合しますれば、特別な理由のない限り交付をされます。特に問題はございません。  しかし、地域福祉コミュニティーセンターにつきましては、財政の都合もこれあり、毎年三カ所、市有地のあるところという厳しい条件がついております。そのために設置に大変偏った結果になって、不満の声や早急に設置を要請する声が高くなってまいりました。特に、東部地区、託麻地区におきましては、この間、何か、市長を交えての地元民との話し合いがございました。お邪魔をいたしました。  あの地域はもう七万の人口を擁し、熊本県では八代市に次ぐ大きなまちである。また中学校が四校、小学校が七校、その中学校も小学校もいずれも過大校でございます。この広い地域、人口の密集しておる地域に福祉コミュニティーセンターが一つもないということでございます。中学校区に一つ、将来は小学校区に一カ所の設置を目標として地域福祉コミュニティーセンターが設置されつつありますけれども、いまだに一カ所もないというのはまことに不思議なくらいでございます。  その原因を調べてみますと、この地域は昭和二十八年の六月、未曾有の大水害以来、安全地帯として急速に人口が増加し、ミニ開発がどんどん進んで虫食い状態で、その結果、学校用地以外にはほとんど市有地がないと、そのような要因が今のような結果になったと思います。  聞くところによりますと、託麻消防出張所、移転が決まったようでございます。跡地の活用、あるいはまた既存民間施設の借り上げ等、知恵を出して設置をしていただきたいものであると思います。この点も市民局長の御所見を求めます。  次に、市の社会福祉協議会などが入居しております社会福祉会館の問題について、強い要望を兼ねお尋ねをいたします。  社会福祉協議会は、昨年ホームヘルパーの公社一元化などでスペースが不要になった後、隣接のビル賃貸をやめて、社会福祉会館ビルの裏側の駐車場をつぶし、現在一千万円もかけてプレハブがつくられております。この社会福祉会館を実際に見てみますと、私も行ってみました。外観も内観も大変老朽化しており、エレベーターもなく、社協の事務局、老人福祉センターともに狭いというのが実感でございます。  社会福祉協議会と言いますと、民間の福祉関係者や福祉ボランティアの方々をあまねく束ね、地域福祉活動をリードしていく拠点であります。その拠点が今のように一部プレハブで、駐車場もエレベーターもないような状態ではとても満足な活動はできません。  ほかのいろいろな公共施設も結構です。いろいろあります。立派なものができました。六十五万市民の立場から考えた場合、優先順位としては社会福祉会館がトップに位するものではないかと考える次第でございます。この際、民間福祉のメッカとなるような社会福祉会館の建設を行い、社会福祉協議会も気分を一新して積極的な取り組みができるようにしてはどうかと考えます。この点につきましては、福祉関係に最も造詣の深い三角市長の考えをお聞かせください。  次に、社会福祉協議会に寄附される香典返しについてお尋ねをいたします。  皆さん御承知のように、市民が亡くなられた場合、御遺族の方が社会福祉協議会に対して、社会福祉の向上のために香典返しを寄附されます。はがきが参ります。この貴重な芳志がその後どのように使われているか余り知られていないところではないでしょうか。私ども新風自由民主党は、この点に注目をいたしまして、どのように使われているのか調査をいたしました。  その結果を簡単に申し上げますと、まずお礼状の通信費の経費を差し引きまして、残りの一部は地域の校区社会福祉協議会に、あとの大半は社会福祉協議会会計に繰り入れられております。しかしその収入が本来の地域福祉活動に支出をされるものではなく、管理費等に充当されているのであれば、寄附された方の意に本当に沿うものではないと思います。残念ながら、その辺の具体的な使い道までは明らかになっておりません。これを一言で言いますと、その用途は極めて不透明であると言わざるを得ません。香典返しの総額は、平成七年度五千三百万にも上ると聞いております。この大変な市民の浄財が本当に生きた使い方をなされなければ市民の信頼は得られません。  同様のことが共同募金についても言えるようであります。社会福祉協議会が市民に信頼される民間福祉活動のコーディネーターとして、その役割を果たすためにも、この香典返し寄附金等の使途の透明化を図るべきだと考えますが、いかがでございましょうか。担当の市民局長の御答弁をお願いいたします。        〔市民生活局長 市原敏郎君 登壇〕 ◎市民生活局長(市原敏郎君) 諸熊議員にお答えを申し上げます。四点であったかと思います。  第一点の、さくらカードについてでございますが、昨年十月から、高齢者、障害者、被爆者の方々がいつまでも元気で生き生きとした暮らしを送っていただくと、それを社会全体で支え合うという理念のもとに事業を開始いたしました。半年が経過をしておりますが、当初の予想を大幅に上回る御利用をいただいております。また多くの皆さんから、先ほど議員も御紹介いただきましたように、喜びの声を寄せていただいております。  したがいまして、この事業の継続については、現在交通各社と事業の継続に向けお話し合いをさせていただいております。  次に、健康老人対策についてでございます。  二十一世紀は高齢者の世紀と言われておりまして、社会の第一線から解放された元気な高齢者が、第二の現役世代として、より自由な立場を生かして、健康で生きがいを持って地域社会に貢献することが求められております。  このため、本市といたしましては、高齢者の意欲や個人の状況に応じた場の確保が大切であると考えており、就業や活動の場としては、御案内のとおりシルバー人材センターの運営であります。あるいは生きがい作業所や老人農園の設置、また健康づくりの場といたしましては、シルバースポーツフェスティバルやゲートボール大会等の開催に取り組んでまいりました。  なお平成九年度では、新たなニーズにおこたえするため、グラウンドゴルフ場の整備も今議会にお願いをいたしております。今後ともその充実を図ってまいりたいと考えます。  次に、地域コミュニティーセンターの設置についてお答えを申し上げます。  地域福祉コミュニティーセンターは、住民同士の交流や自治会活動、福祉ボランティア活動、文化活動など、いろいろな住民活動の拠点として大きな役割を果たすものであり、地域の核的施設として建設を待ち望む声が多くの地域から寄せられております。  現在、建設の単位といたしましては小学校区エリアを一つの目安として随時建設を進めており、平成八年度末で約十八カ所完成をいたします。しかしながら、議員ただいま御指摘をいただきましたように、全市的に見ますとまだまだ未整備の校区が多く、現下の厳しい財政状況もあって、一挙に整備を進めることはなかなか困難であります。  したがいまして、今後は、老人憩の家、地域公民館なども含めましたコミュニティー施設の適正配置の考え方を整理をいたしまして、用地につきましても、ただいま議員からもちょっと御紹介いただきましたように、公有地の有効活用だけでなく、借地でありますとか借家方式の導入なども考えながら逐次整備をする必要があろうかと考えます。  なお、消防託麻出張所移転後の用地活用につきましては、関係部局間で十分協議をしながら、総合的な観点から検討する必要があると考えます。  次に、香典返しの件についてお答えを申し上げます。  御案内のように香典返しは社会福祉法人、社会福祉協議会で受け入れをいたしております。この香典返しは共同募金配分金とともに民間福祉活動を支える貴重な財源であり、住民みずからが参加した福祉コミュニティーづくりのための参加形態とも言えるものであります。こうした浄財は地域住民の福祉の向上といった生きた使い方がなされなければなりません。今後、福祉コミュニティーづくりに向けて、民間福祉活動の中心的な担い手である社会福祉協議会と公的福祉サービスを担う行政との連携を促進するとともに、寄附金のより透明な、より効果的な配分とその使用用途を広報を通じまして知らせることが適切であろうと考えます。そのように指導をしてまいりたいと思います。        〔市長 三角保之君 登壇〕 ◎市長(三角保之君) 諸熊議員にお答えをいたします。福祉会館の建設について私にということでございました。  確かに、おっしゃるとおり、福祉会館の建設、私どもも優先権においてはトップクラスの中に入れておるところでございます。この福祉会館が、私も市に参りましてからいろいろ、検討委員会のメンバーでもございますし、理事の皆さん方からも、また福祉団体の皆様方からもいろいろお話をお伺いをし、なるべく早い機会にと思っているわけでありますけれども、福祉会館自体が非常に複雑なものでございまして、今熊本市が建てております福祉会館──名前は便宜上のものだろうと思うのですけれども、この中に入っていただいておりますのが社会福祉協議会、もう一つは中央老人福祉センターが一、二階に入居されております。  我々が考える総合福祉センターなるものがいかなるものかということを考えますときに、総合福祉センターというのは、やはり行政が福祉に対する情報の発信基地であるべきものだと、もう一つは、市民の皆様が思われる福祉に対する意見等々考えを聴取する場所だというふうな思いをいたしております。  そういった中で、福祉団体の皆様方がやはり一堂に会されといた方がいいなという思いはあるわけでございますけれども、今直接私どもが社会福祉法人、あるいは財団としてかかわり合いのあるのが福祉四団体でございまして、その四団体の一つが社会福祉協議会であるわけであります。本来ならば、この福祉四団体につきましては、同一ビル内にお入りいただいていた方が一番連携はとれるんだという思いを持っております。社会福祉協議会一つ取り上げてみますと、社会福祉協議会の役目というのは、基本的には、個人と社会福祉法人をつなぐ役目、あるいは社会福祉法人と行政をつなぐ役目、これが非常に大きい役目だろうと思うのです。  今、社会福祉協議会の事務分掌を見てみますと、社会福祉を目的とする事業に関する調査及び研究、それから社会福祉を目的とする総合的企画、あるいは連絡調整、助成、普及宣伝、それから社会福祉に関する活動への住民参加のための援助、保健衛生、社会教育を目的とする事業との連絡、共同募金事業への協力、日本赤十字事業への協力、そういったようなものが、また市からの受託事業としては、生活福祉資金貸出事業の受託と社会福祉会館の管理委託というふうなこと、それと希望荘の管理委託運営というふうなことになっております。  私もこれは昔から考えておりましたけれども、社会福祉協議会そのものというのは、大きな事業をするところじゃなくて、社会福祉に携わるすべての者に対しましての研修を施すところ、あるいは先ほど申しましたように行政との連携を密にするところであり、また、行政からの受託事業をするところ、そういうふうなところを思いますときに、今の社会福祉協議会では、相談業務とか研修事業とか、そういうもろもろの事務分掌をやっていく上には非常に物理的に狭いというふうな感じはいたしております。そしてまた、社会福祉というふうな感覚の中で皆さんがとらえられますときには弱者救済という形になりますから、三階、四階に行くのは非常に不便じゃないかということはございます。  そこで、社会福祉協議会を建て直すのではなくて、社会福祉会館を建てるという意味になりますと、協議会はお入りいただくだけという形になるわけですから、ほかの団体の方々にもお入りをいただかなければならない。そしてまた、これは社会福祉協議会の中でいろいろ委員会等々もつくっておられますし、そのメンバーの中で、やっぱり母子寡婦福祉連合会、民生委員協議会、医師会、いろんな団体が所属しておられます。この団体の方々が、本来でございますと、市が建てました総合福祉会館の中に事務所を持ちたいという願いが非常に多いわけでございます。その辺を満たすということになりますとばかでかい──ばかは使っちゃなりませんけれども、大変大きな建物をつくっていかなければならない。  私が県におりましたときに、県の福祉会館、水道町にございましたものを福祉センターとして建てかえをいたしました。この建てかえをいたしましたときに、入居募集で二百二十団体の応募がございました。どうしてもさばくにさばけんということで、元来福祉会館の中にお入りいただいていた方に、かてて加えて軍人恩給の方だけお入りをいただいたという例があるわけであります。  そういうことになりますと、身体障害者福祉協議会、手をつなぐ育成会、この方々も、自分のところの会の中で相談業務をしたい、そういうことで会館の一階をいただきたいというふうな形になってまいります。それを満たすためには大変な苦労があったのです。  そこで、我々がお願いをしておる福祉四団体と言いますのは、社会福祉協議会、社会福祉事業団、福祉公社、シルバー人材センター、この四つが大きな社会福祉四団体というふうなとらえ方をしておりまして、そのほかの団体の方々につきましては社会福祉協議会の構成メンバーだという形になっておるところでございます。本来でございますならば、私どもの福祉事務所もその中に入れていただいて、そして行政としての発信基地が一番大切なところだというふうなとらえ方をいたしております。  そこで、一番にこれをつくりたいという思いの中で、立地条件、これを探したところでありますが、平成公園の近くにちょっとあったことはあったのですけれども、一般的に皆様方がおっしゃいますには、自分の団体がもしそこの中に入ったときには、うちは弱者で、車いすで行かなければならない、交通の便が悪いじゃないかというふうな形の中で、やはり公共交通網が張りめぐらされているところじゃないとだめだという考え方が一番に浮かんでくるわけであります。  しかし、県はやりましたときに、本格的に県とタイアップしている──今言いました市とタイアップしている四団体、それは県においては八団体ぐらいありますかね、そういう団体はお入りいただくと、そしてかつて入っておったところでまた入りたいという方々──実際言いますと、水道町にありました福祉会館から今の福祉センターになおりましたとき、家賃が六倍になりました。非常に家賃が高いから私どもは入らないという方もいらっしゃいました。  だから、任意団体も全部含めた福祉会館にしていくのか、それとも四団体だけお入りいただいて私どもの福祉事務所が入って成立をさしていくのか、この辺が、福祉会館は必要だという答申はいただいているわけでありますけれども、その中身が決まっておりません。お一方お一方に尋ねてみましても、思いが少しずつ異なっておりまして、私どもの思いとは少々異なってまいります。  そういうことで、全部を満たします場合は、公共交通網の張りめぐらされているところで、まず第一期工事としてはこの四団体と私どもの福祉事務所、そして研修所、相談所、情報発信基地、あるいは皆さんお寄りいただくサロン等々をつくる一期工事と、その近くに任意の福祉団体の方々が、自分の事務所を持ちたいという方々のアパートとでも申しますか、そういうものが二期工事で張りつけられるような土地があるところというふうなことを私は理想像としているところでございまして、これには市有地を選ぶには少し時間もかかります。また、二、三当たっているところもありますけれども、実際違う局が使っているところもございまして、なかなか「帯に短したすきに長し」というところでございますものですから、この辺のところをいろいろ模索しておるところでございます。  ところで、今の社会福祉協議会でありますけれども、先ほども申しましたように、今の事務分掌、事務内容を、満足をするようなスペースじゃないというふうなことは思っております。そこで早急に原局とも諮りながら、一、二階と三、四階の分離も考えていかなければならんなというふうな思いをいたしております。  いましばらく、大変迷惑をおかけしておりますけれども、社会福祉協議会の方々、関連の方々に少し御辛抱をいただき、建てる以上は総合福祉会館、これはというものに向かって頑張ってまいる所存でございますので、どうぞ御理解、御支援を賜りますようにお願いを申し上げます。        〔三十六番 諸熊文雄君 登壇〕 ◆三十六番(諸熊文雄君) ありがとうございました。大変造詣の深い、本当に組織から考えなければならない、器だけじゃだめだと、よくわかりました。他の都市を視察しました場合に、非常に立派なのが建っております。人口の少ないところでも福祉会館が建っておるというふうな感じがいたします。  先ほど申されましたように、私も実は見に参りまして、そのとき感じましたことは、昔私の田舎では、結核患者が出たら、小屋の隅に追いやって、日の当たらん日陰のところで、余り外には出るなというような感じ、お年寄りもそのような仕打ちでございました。そういうような家でも玄関や座敷は立派に普請をされておるというようなことでございまして、本当に例えは悪うございますけれども、あそこを見に行きまして階段を上がりながらそんな感じがしました。これでいいのかなと思いました。  私は中身がよくわかりませんでしたから、ただ単に器だけ見てそんな感じがいたしました。恐らくよそからお見えになった方もそんな感じをお受けになるのではないかと思います。どうか一刻も早くこの点解決をされまして、本当に福祉会館としてすばらしい、六十五万都市にふさわしい会館ができますように切にお願いをいたします。  それから、香典の問題につきましては、これはやっぱり透明でなければいけない。私は護国神社によく参ります。あそこではかわらが一枚当たり一千円、寄附してください、建てかえですということで、銅板代一千円。この間、新風自由民主党は宇佐神宮に参りました。そしたら、あそこもふきかえのために銅板代が一枚一千円。皆寄附します。
     ただ単に寄附をしてくれと言ったのではだれも寄附しませんけれども、何か目的があって、そのために有効に使っていただくのであれば、私はどんどん寄附していただける、そのようになるのではないかなと思います。  どうか、お返しでお札状を出されます。その折に、これは福祉会館のために使わせていただきますよということを書き添えていただいたら、また協力をしていただく方が多くなるのではないかなと。私はできたら遺言に書いておこうかなと、そのように思った次第でございます。  きょうは予期以上に三角市長の福祉についてのお話がございましたので、時間がなくなりましたが、実は吉原局長に、消防問題についてぜひお願いをしたいと思っておりました。しかし、きのうの奧田議員の質問の中でその問題が出ておりましたから、申しわけありませんが──また出たいなという気持ちもあろうかと思いますけれども、御了解いただきましてこの辺で……。  実はですね、私は新風自由民主党で一月末に研修旅行に参りました。そのときにまず行きましたのが、道順の関係でありましたけれども、参りましたのは広瀬神社、あの旅順港の閉塞に当たって、日露戦争のまさに焦土激戦のところで、あそこで旅順港を閉塞したためにあの日露戦争は勝ったのではないか、二百三高地が落ちたのではないかとそのように思います。その広瀬中佐の神社にお参りをいたしました。  それから宇佐神宮に参りました。御承知のように宇佐神宮は、弓削道鏡さんが天皇の位を乗っ取ろうとしていろいろ画策をした。それを、そうはさせじと和気清麻呂がそこに参りまして御神示をいただいてそれを排された、そういうようなことでございます。  その次に福沢諭吉のお宅に参りました。これは御承知のように、明治の教育、これを、慶応大学をおつくりになって──きのう奧田さんが質問をされた総理大臣森有礼、この方は鹿児島出身、この人が初代の文部大臣、新しい教育の制度をつくった人、その制度を実行して教育を実施した人、これが福沢諭吉、それに魂を入れたのが元田永孚、あるいは井上毅、熊本ですよ、そういう方々であり、実践したのはあの済々をおつくりになった佐々友房先生。そういうようなところを見せていただきました。ボランティアを徹底してやった、三十年間ボランティアだけで生きた禅海和尚の青の洞門、さらにその福沢諭吉、大隈重信、あるいは熊本県から出ました初めての清浦奎吾総理大臣、そういう先生方を教えた広瀬淡窓の塾、そういうところに行きました。  さらにまた、今から一千三百年前、第三十七代の女の天皇様、斉明天皇ですけれども、その斉明天皇のところに今の朝鮮の任那(みまな)というところから、助けてください。中国の唐という国が攻めてきました。どうか、平素からお世話になっている日本の天皇様、お願いしますと言って使いが来たので───六十八歳ですよ、女の天皇様はわざわざ大和から朝倉まで、福岡の僻地までお出かけになって、そして救済に行かれました。御本人はとうとう途中でお亡くなりになった、その御陵があります。その後を継いだのが中大兄皇子、後の天智天皇です。そういうところを見せていただきました。  最後に、熊本から大刀洗まで出かけていった、菊池武光のあの遺跡を見てまいりました。ちょっと、私語はやめていただきたいな。……と思い、一生懸命勉強いたしました。その中で私は、感じましたことは、日本の国、日本という大きな船があっちこっち、危ないときもありました。左に傾き右に傾き、そういうときに必ずだれかが出て命がけでそれをもとへ返しておる。そのために日本の今日の歴史があると私は思う。世界に冠たる歴史だと思います。  そういうことをこの二日間の研修の中で見てまいりました。みんなそういう人たちのおかげで日本が今日あるという感じをいたしました。今がまさにそういうときではないかと私は思う。  ことしの四月から教育、変わります。いろんな問題が起こってまいります。今、私が調べたところによりますと、親を大事にするためのアンケート、よろしゅうございますか、「あんたは、もし親が困ったとき、その親を一生涯養い世話をするか」という問いに対して、アメリカは六〇%の人が「する」と言っています。イギリスも「する」と言っています。フランスも「する」と言っているのが六〇%。日本は幾つでしょうか、一八%ですよ。韓国は七〇%台です。スウェーデンはお年寄りの国です。スウェーデンでも三七%です。  これはまさに私は教育のせいだと思う。親を大事にする必要はありませんよ。ろくなことはしておりませんよ、先祖は悪いことばっかりしておるのですよ、というような教育がなされれば必ずそうなっていく、私はそう思います。どうか、今間違った方向に行かんとするこの日本丸を、議員の先生方、よろしくお願いしたいと私は思うのですよ。もう余り長くない私の人生でございますが、続く限りこの問題は言い続けてまいりたいと思う。  イスラエルに行って感じました。わずか四百五十万、福岡県の人口と同じ人たちが一生懸命に国を守っている。四国の大きさしかない。それは二千年間、祖国のない流浪の民だったから、やっと得た国土です。国会議員も市会議員も大学の先生も全部予備役ですよ、兵隊さんですよ。一年に一カ月は必ず訓練に行きます。そして、いざというときにはそのままそっくり第一線に行くのですよ。そうしなければ間に合わないのです。シリアやヨルダンやレバノン、六時間で全部占領されてしまうのですよ。したがって、そういうことで一生懸命に守っておる国もある。  そういうことを思いますと、日本はありがたい。このありがたい日本に生まれさせていただいて、感謝にたえません。ましてや、この伝統、歴史のある市会議員とさせていただきまして、事もあろうにこういうところでこうやって発表させていただく機会は、本当に私は、まことに申しわけないが、ありがたいと思っております。  本当にきょうは、そういう教育の問題が極めて大事であるということを、ここで重ねて長崎の市会議員の先生方、あるいは長崎の連中も一生懸命きょうは関心を持っておるということを申し上げまして、最後になりましたけれども、長い間御聴聞いただきました皆さん、そして傍聴の皆さん方、ありがとうございました。これをもって終わります。ありがとうございました。(拍手)      ───────────────── ○副議長(宮原正一君) この際、議事の都合により休憩いたします。  午後二時に再開いたします。               午前十一時五十八分 休憩               ────────────               午後 二時  三分 再開 ○議長(荒木哲美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) 質問を続行いたします。西野法久君。        〔五十三番 西野法久君 登壇 拍手〕 ◆五十三番(西野法久君) 公明の西野法久でございます。  まず、財政問題からお尋ねをいたします。執行部の御答弁、よろしくお願いを申し上げます。  三角市長は、今議会冒頭の提案理由の中で、予算編成のあり方について、行政改革大綱を踏まえ、その抜本的見直しを行い、補正型から基本的には通年型の予算編成を行ったと述べておりましたが、この点について私見を交えながら質問いたしたいと思います。  本市の予算は、従来、当初予算において、事務費、事業費とも確実に見込める必要最小限の部分を措置し、その後補正予算において必要な追加措置を行う、いわゆる補正型の予算編成を行ってこられました。これに対し、通年型の予算というのは、年度当初に見込まれる経費は極力当初予算に計上し、補正予算は、国庫補助の新規採択、県事業の確定に伴う必要経費等やむを得ない限られたものになると私なりに理解をいたしております。  これまでの本市の状況を具体的に見ますと、平成七年度は、一般会計の当初予算額一千八百四十七億円に対し、補正予算額、これには開発公社の清算に伴う分を除きますが、二百八十四億円強、また、平成八年度は、当初予算額一千九百十一億円に対し、補正予算額二百八十七億円強と、それぞれ三百億円に近い補正措置を行ってきております。  このような補正予算のあり方、すなわち、事務経費については内部で厳しくチェックしながらその執行を進め、また、事業経費については、財源の状況、事業の進行等を慎重に見きわめながら財源の配分を行うという手法は、予算の適正な執行、あるいは財政の安定的な運営という面では大きな役割を果たしてきたと考えますが、一面では、事業部門における年間を通じた計画的な予算執行、内部事務の煩雑化等々の問題を含んでいることもまた事実であろうかと思います。  事業スケジュールに関し若干具体的に申し上げますと、仮に九月の補正予算で事業費の追加を措置しますと、事業担当部門は、それから設計に着手し、事業に取りかかるということになりますが、通常であればこの日程で年度内予算の執行はどうにか可能であっても、これに何らかの別の要因が加われば、事業の繰り越しという事態が生じることが推察されるわけであります。  さらに、市の財政運営、事業の推進という観点から目を転じて、市民の立場から考えますと、市全体の行政活動を数字的に表現したものが予算であり、当初予算を見れば、その年度の市の行政活動の内容がすべてわかるべきものであると考えており、この視点から見ますと、今までの本市の予算編成の手法では、当初だけではなく補正予算まで見ないと全般的な本市の行政活動がわからないという一面があったのであります。  このような意味で、今回の予算編成の通年型への見直しは、三角市長が常々言われています、市民にわかりやすい市役所の実現に向けた一つのステップでもあると、私自身は受けとめておるわけでございます。  しかしながら、私は、これまでの補正型の予算編成手法を全く否定するものではありません。予算編成のあり方について何がベストであるかという問いには明確な答えはなく、その時代時代に応じ、またそれぞれの都市の実情等に応じ、答えは幾通りもあるのではないかと考えるものでございます。  さきの行政改革大綱において、行財政システムの簡素効率化という視点から、年間予算の確立が具体的施策の一項目として掲げられておりますが、これは予算規模が年々拡大する中、従来の国庫補助事業に依存したまちづくりから、都市の個性を生かした独自の計画的なまちづくりが求められるという今日的要請を踏まえ、より適した予算編成のあり方を示したものと考えるものであります。しかしながら、この通年型の予算編成が、すべての問題を解決しベストであるかというと、そうは言い切れない面もあるのであります。  先ほど申し上げました、今までのいわゆる補正型の予算編成の利点と裏腹の関係になろうかと思いますが、当初予算編成時において財源の見通しがどこまでシビアにできるのか、また、いわゆる予算の消化のための予算執行があり得るのではないか等々の問題点、あるいは新年度が通年型予算の初年度ということもあり、現在想定されていないような問題点が出てくることも考えられるところでございます。  したがいまして、私は、今後ともまだまだよりよい予算編成のあり方について試行錯誤を続けてまいらねばならないと考えるものであります。この通年型予算の利点を生かしつつ、その問題点を解消していく努力が必要であり、今回見直しを行ったからといって、それで安心することなく、惰性に流されずよりよい予算編成のあり方を求め、その改善を継続し続ける必要があると認識をする次第であります。  以上、私見を交え、予算編成のあり方について申し上げてまいりましたが、今回の予算編成の手法の見直しについて、ただいま私が申し上げてまいりましたことを踏まえつつ、当局の考え方をお伺いしたいと思います。        〔総務局長 野田晃之君 登壇〕 ◎総務局長(野田晃之君) 補正型から通年型への予算編成手法の見直しについてお答えを申し上げます。  ただいま御指摘のとおり、本市の当初予算編成は、これまで、事務費等の経常的経費、単独事業については、極力抑制基調の予算措置を行い、また補助事業については、その補助採択の見通しにより予算措置を行っており、その後、補正予算において、財源の見通し、事業の進捗、補助内示の状況、あるいは決算の見通しなどを慎重に見きわめながら必要な追加措置を行わせていただいていたところであります。  これを新年度予算編成、平成九年度の予算から、極力見込まれる経費につきましては当初予算に計上するという、いわゆる通年型の編成に改めさせていただきました。  議員の御指摘にもございましたが、この通年型あるいは補正型の予算編成におきましても、それぞれにメリット、デメリットがあるものと考えており、これらを慎重に検討いたし、特に、市民の皆様から見てわかりやすい予算、年間を通して計画的な事業推進が図られる予算という点を重視し、この手法の見直しに踏み切ったところでございます。  この見直しの結果、財政部門といたしましては、年間を通しました財源の見通しのより正確な把握、あるいは事業部門にあっては、年間を見通したより確実な事業計画の策定など、その責任もこれまでより大きなものになると考えているところでございます。  したがいまして、私ども、今後事業部門とも緊密に連携を図り、特に今回の見直しにより事務的な混乱が生じることがないよう、事務担当者の研修を実施するなど、この新しい予算編成システムが円滑に機能するように努めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今後とも、より効率的な予算編成のあり方を研究してまいりたいと考えており、議員各位の御指導を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。        〔五十三番 西野法久君 登壇〕 ◆五十三番(西野法久君) 今までの補正型予算、そして今回の通年型の予算ですけれども、やはり今までの補正型予算の方がメリットとしては極めて大きかったんじゃないかという気がいたします。  それは一つには、財源の状況を見きわめながら補正措置を行うことができたと、また、財政の安定に非常に貢献をしてきたという、そのような従来の予算というものは一つ大きなメリットがあったと思います。そしてさらには事務費等について財政サイドのチェックが入り、予算の適正な執行に貢献をしたというメリットもあるわけでございます。それから、年度中途の突発的事項に対応しやすいという、これも一つの従来の補正型予算の大きなメリットであったかと思います。  そういう意味において、今回の通年型予算も確かにメリットはあるわけですけれども、デメリットというのは、予算消化的な執行が生じる可能性があると。要するに、予算をただ消化していくという、そのような消化的な執行が生じる可能性が多分にあるという問題点があるわけでございます。じゃあ、そういうものに対して今後当局としてどのような対応をされていくのか。  それから、年度途中の突発的な事態に対応しにくいという難点がございまして、これはやはりこれからの複雑多岐にわたる市政執行において、予算的に年度途中で突発的な事態というものはこれからもさらにふえてくるのではないかという、そのようなことも考えられます。そういう意味において、そういう突発的な事態に対してどのように対応していくのか、そこらあたりひとつ具体的に再度御答弁をいただきたいと、このように思うわけでございます。  さらには、現在本市の公債費は一八・一%という、もうこれ以上は公債費をふやせないというそのような極限と言いますか、そういう厳しい状態にあるということです。果たしてこの状態をいつまで続けていかれるのか、それをいかに今後行財政改革をやりながら公債費を抑えていくかという、そのあたりにつきましてもひとつ御答弁いただければと思っております。  そして先ほど私が申し上げましたように、大体年間三百億近い補正を組んできた。しかしそれは、この通年型によって二百億ぐらいは当初に見込まれて、後の百億ぐらいで六、九、十二という補正が組まれていくんだろうという気がするわけですけれども、この三百億近い予算につきましてもどこまでこれを将来続けていかれるのか、そのあたりの見通しについても再度お尋ねをしておきたいと思います。  次に教育問題についてお尋ねしますが、熊本市立高等学校の活性化について質問をいたしたいと思います。  高等学校に進学する者が九六%を超え、大学、短大、専修学校に進学する者も六〇%を超える状況の中で、高等学校において、多様化する生徒の適性や能力、学習ニーズなどに対応する教育内容の見直しが求められてまいりました。また、二十一世紀を目前にして、さまざまな分野での国際化、情報化の進展や、高齢化、少子化の進行など、大きく変化する社会に対応する教育のあり方も問われております。  このような中、私は、これまで本会議や委員会を通じて、市立高等学校の活性化について、教育環境や教師の問題、さらには教育内容等、数値を挙げ具体的な課題も含めまして、当局の方針や考え方につきまして取り上げてきたところであります。  特に、市立高等学校の施設改善については再三質問してきたところであり、魅力ある高等学校とするには、老朽化した施設を改築し、その時代の教育内容に合った施設整備とし、生徒の三年間の学校生活が人生の中で最も楽しかったと感動を与えるような施設が必要ではないかと思います。  確かに、教育環境の整備として、これまで採釣園の復元や、セミナーハウスや大食堂の新設などが実施されてきましたけれども、部分的な整備でしかなく、抜本的な整備というにはほど遠いものであり、これでは真の活性化は図られないのではないかと危惧するものであります。  根本的な取り組みにつきましては、平成六年十二月に設置されました高等学校等活性化検討委員会の意見を待ってとのことでございましたが、その検討委員会も二年有余の審議を経て、本年二月各学校の活性化方策を含む提言書が出され、市立高等学校につきましても、学科の改編や教育環境の整備等について提言されております。この提言を受けて、今後具体的にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか。  さらに、市立高等学校の活性化の一環として、平成七年度から試行されました普通科の推薦入学についてお尋ねをしますが、二カ年とも志願者が多く、また、推薦で入学しました生徒も、学校内の諸活動において力を発揮するなど、学校全体に効果があらわれていると聞いております。しかし、九年度も再び試行を継続されておりますが、効果が上がっているのであれば、九年度からは本格実施に移行すべきであったと思いますが、御答弁をお願いしたいと思います。  次に、新図書館、博物館についてもお尋ねをしておきたいと思います。  さきのリバーウオーク構想等と同じく、新図書館の建設につきましても以前検討委員会が設置され、基本構想が策定された経緯がありますが、その現状については改めて申すまでもないと思います。  その構想を簡単に言えば、現大江の図書館の図書収蔵スペースの不十分さと駐車スペースの不足を指摘し、より立派なものを西部地区方面に設置する必要があるというものであったと思いますが、私はそれはそれで意義あるものと認めつつも、今図書館に求められているものは少し違ってきているのではないかと考えるのであります。  それは、高度情報化社会の進展に伴い、これからの図書館は、ただ豊富な蔵書を誇り、それを貸し出すという機能だけではなく、映像、音楽、電子情報等、あらゆるメディアについての情報提供機能を持つものでなくてはならないと思うのであります。  このようなことを考えるとき、新幹線の具体化に伴って、広域的な人々の交流、さまざまな都市情報の発信拠点としての機能強化が求められる熊本駅周辺地区に、この高度情報化社会に対応した新図書館を建設してはどうかと思うのでありますが、執行部のお考えを聞かせていただきたいと思います。  引き続き、博物館についてお尋ねをいたします。  本市博物館は昭和五十三年の開館当初から現在まで、自然科学系を基調とした博物館として運営がなされてきました。私の記憶によりますと、この博物館は、将来、歴史文化等を収容した人文系の機能をもあわせ持つ総合博物館を目指し、拡張構想が検討されていたのではないかと存じます。  本来、博物館は、古今東西にわたる考古学資料はもとより、美術品、歴史的遺物、その他、学術的資料を広く展示公開し、人々の歴史、科学への探求心を満たすとともに、ひいては地球、人類、自然を愛する心の涵養機能を持つ、社会的にも極めて重要な施設であります。  しかしながら、現在の本市博物館を眺めた場合、時代のニーズにこたえる博物館であるのか否か。あるいは、他都市と比較した博物館としての機能、あるいは管理の面において一向に改善されない点があることなどに少なからず不満を抱かざるを得ないのであります。  そのような中、仄聞するところによれば、現在県が大規模な博物館構想を持って検討を進めているようでありますが、この際、本市の博物館もそのあり方を再検討し、存在価値の高い博物館として新たな方向を見出すべき時期に来ているのではないかと考えますが、このことについて執行部のお考えを聞かせていただきたいと思います。        〔総務局長 野田晃之君 登壇〕 ◎総務局長(野田晃之君) 通年型予算編成に関連いたしまして四点ほどのお尋ねでございます。  まず、通年型にすることによりまして、いわゆる予算の消化という問題が生じるのではないかという御指摘でございますが、事務費について申し上げますと、まず今回の通年型予算編成に当たりましては、過年度の事務費の決算ベースの分析を財政、原局ともどもやらせていただいておりまして、この中で、例えば数量増等による絶対増等を含めまして一定の基準値をつくり、その中から可能な節減をやっていただくためのシーリングを行うといった手続を経て、当初予算、組ませていただいております。これを原局の方ではある程度節間流用等の事態も出てくるかとは思いますが、その範囲内において適切に執行していくという姿をとらせていただきたいと思っております。  ただ、通年型予算の最初の年でございますので、財政といたしましても予算の配当という姿の部分がございまして、この段階で各局とさらに執行状況等につきましての協議を進めたいと思っておりますし、仮に一年経過いたしました後、決算段階になりまして、その状況につきましてもう一度チェックを入れるということはお互いに必要なことだろうと思っております。そういうことによりまして、単に消化だけに終わると、不必要なものを消化するという事態は避けさせていただきたいと思っております。  第二点、突発事態の問題でございますが、通年型、補正型と言いましても、ある意味で相対的な関係だろうと思っております。先ほど御質問の中でもお触れになりましたように、例えば事業の確定に伴う県事業負担金でございますとか、あるいは国の補助事業の補助内示の状況でございますとか、そういうものによりまして補正する部分というのは出てまいりますし、さらに義務的経費におきましても、人事委員会の勧告等に伴います、例えば給与のベースアップ等がございましたらこういうものも補正要因になってまいるわけでございまして、補正が皆無ということではございません。  関連しまして、先ほど四点目でおっしゃいましたいわゆる補正額の問題でございますが、これまで、先ほど述べられましたように三百億近い補正をさせていただいておりますが、現時点では百億強の補正は出てくるのかなということで想定をさせていただいております。  なお、そのほか単独事業等で緊急に対応すべきもの等が出ましたケースを考えますと、この百億が百五十億になるといった事態も場合によってはあろうかというふうに受けとめております。  四点目の公債費の問題でございますが、これまでも何度かお答えいたしておりますが、過年度におきます開発公社の清算、あるいは国の経済対策への呼応に伴います地方債の発行と、いわゆる起債という問題で公債費の水準、公債比率、起債制限比率の水準が高水準に推移いたしておりますのは私どもも重々認識をいたしております。ただ、ここ数年の公債費につきましては、このような過年度の枠がそのままかぶさってまいりますために、ある程度高水準で推移せざるを得ないというふうに受けとめております。  ただし、このままでいいと私ども受けとめているわけではございませんで、今回の当初予算編成に当たりましても、例えば、公営住宅建設戸数の問題、あるいは道路、用排水路等単独事業の事業量の問題等につきまして抑制基調で推移させていただいたところでございます。  なお、平成九年度につきましては、これも今回の予算でお願いいたしておりますが、国体プールが単年度で百億を超えるというピークの年に当たっているということ、あるいは県事業負担金等道路関係につきましても、あるいは私どもの都市計画道路サイドにおきましても、国体関連道路の整備等事業費が非常に大きな、巨額の経費を要する年に当たっているといった事態もございまして、公債費の当初予算枠、かなり見た目は大きくなっておりますが、事業量全体としてはそのようなことを考慮しながら取り組ませていただいているところでございます。  今後、将来の公債比率等の逓減を想定しながら予算編成、予算執行に取り組ませていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。        〔教育長 後藤勝介君 登壇〕 ◎教育長(後藤勝介君) 教育に関する問題につきまして二点、市立高校の活性化の問題、それから図書館、博物館の問題についてお答えを申し上げたいと思います。  まず、市立高校の活性化について、提言を受けた今後の取り組みということでございます。  市立高校の活性化につきましては、ただいま議員がお触れになりましたように、西野議員を初め議員の皆様方から、本会議におきましていろいろと御論議をいただいてまいりました。また、この問題について二年間にわたって検討していただきました市立高等学校等活性化検討委員会から、先月検討結果について提言を受けたところでございます。  提言では、魅力と特色ある学校づくりのための基本的方向として、新しい社会環境の中で生きていく力の育成と教科内容や学科の充実改善、実践的な指導力のある教師の確保と育成、生徒の学習意欲を高め、効果的教育指導を行うための環境整備等の考え方が示されております。  今後、私どもといたしましては、これらの提言内容を、学校で取り組むもの、学校と教育委員会が提携して取り組むものなどに整理をいたしますとともに、短期的に解決すべきもの、また中長期的な見通しを立てて解決すべきものなどに分けまして、計画的に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、施設の抜本的な改善につきましては、学科の改編等によります施設の形態の検討や財政事情等も勘案する必要がありますので、今後、市議会の御指導をいただきますとともに、国や県に対しまして補助採択等の可能性を探りながら努力してまいりたいと思います。  次に、市立高等学校の普通科の推薦入学についてお答えをいたします。  ただいま御指摘がございましたとおり、推薦入学は平成七年度から二カ年の試行として実施してまいりました。受験生や保護者の高い関心を集めているところでございます。  現在、一学年、二学年の教育活動面での効果はあらわれておりますが、三学年の効果も見る必要があると考えました。したがいまして、本格実施につきましては、全学年がそろった段階で、学校の状況や生徒の進路状況など、推薦制導入の効果を十分把握した上で移行したいと考え、平成九年度から二カ年の試行継続を決定したところでございます。今後とも御指導をよろしくお願い申し上げます。  次に、図書館、博物館についてお答えを申し上げます。  まず新図書館の建設についてでございますが、平成四年四月に、熊本市新図書館建設計画委員会からの答申をいただいております。その後、規模や機能の問題、位置の選定等につきまして検討を重ねてきたところでございますが、社会的、経済的状況の変化等に伴いまして具体化に至っていないのが現状でございます。  御指摘のように、今日の図書館は、従来の図書貸し出し等のサービスのみならず、マルチメディアや多様化した市民ニーズに対応しますために、ハイビジョンあるいはパソコンによるインターネット等も取り入れた幅広い生涯学習の場として市民が気軽に利用できる施設が期待されております。  議員御提案の熊本駅周辺地区は、市民の利用しやすい環境、交通の利便性から見まして有効な候補地の一つと考えられますので、今後、関係部局とも協議を重ねてまいりたいと思います。  次に、博物館のあり方についてお答えをいたします。  近年、市民の生涯学習に対するニーズの高まりや学校完全週五日制への移行等にあわせて、博物館の果たす役割は非常に重要になってきていると考えております。熊本博物館は昭和五十三年に現在地で開館しまして以来、自然科学部門を中心に人文科学部門、理工科学部門を加えた博物館として市民の皆様方はもとより、県内外から年間十万人を超える方々に利用していただいております。  しかしながら、昭和四十八年に熊本博物館建設準備委員会からいただきました答申で述べられております自然科学部門と人文科学部門が両立する、いわゆる総合博物館としての機能は十分発揮できていない状況にあります。したがいまして、本市議会からも委員として御参加をいただき、平成七年度から発足しております(仮称)歴史民俗・古文書館調査検討委員会の中でも、歴史民俗古文書等の調査研究、施設の整備と活用方法等について議論をいただいているところでございます。  今後、この委員会での検討の推移を踏まえますとともに、県立博物館計画との連携を図りながら、市民のニーズにこたえる新しい図書館のあり方について、総合的な見地からその方策を探ってまいりたいと考えております。        〔五十三番 西野法久君 登壇〕
    ◆五十三番(西野法久君) 財政につきましては、まだ今後論議を重ねるといたしまして、ひとつ実のある執行をよろしくお願いしておきたいと思います。  高等学校の活性化につきましては、熊本県下で市として高校を持っているのは熊本市だけなんですよ。そういう中で、高校を三つ、ビジネスまで入れますと持っているわけですけれども……。国からの予算が、高校の改築、学校教育の環境整備等にほとんど県立高校に行ってしまっておると。そういう面では、熊本市としては、やはり国からの補助金あたりをもっと積極的に導入すべきではないかという気がするわけです。  そういう面において、もう既に、あの市立高校を見ますと、まず窓があかないと、あかないのが窓だなというふうに子供たちは認識しているわけです。そういう形になっております。今鉄の枠がはまっているのですけれども、サッシに変えようかなと思って、その鉄の枠を外したら壁が壊れてしまうという極めて危険な状況下にあるというのが現実なのです。  ですから、そういうものに対して、本来ならば市が単独で十五億の予算をつければ、県、国であと三十億ぐらいついてくるわけですので、大体四十五億あれば新しくできるという、そういう状況にあります。市長もこちらに見えてそう長くならないわけですので、今まで県立をしっかり見てこられたと思いますけれども、今度市の高校をしっかり勉強していただいて、そしていかにすばらしい学校をつくっていくかということが大事ではないかと思います。  他都市においては、もう既に市立としてすばらしい高校がたくさん誕生しておりまして、独特の学校をつくり出しておるわけです。そういう意味から、ぜひ市長の今後の高校に対する情熱をよろしくお願いしたいと思います。  特にまた推薦制につきましても、じゃこれから平成十年まで四年間続けるということですけれども、果たして推薦制導入を、あくまでも試行という立場で四年間続けたからといって、一体何がそこに結果として出てくるのだろうかという問題があると私は思います。ただ十年まで四年間続けるということは、これは大人の発想であって、都合のいいこちらの発想であって、本当に子供たちの発想に立って推薦制導入を考えるならば、一日も早く取り入れるべきではないかと、このように思うわけでございます。  非常に県との問題、それから私立との問題等もあろうかと思いますけれども、市教育委員会としてはそういう面に対する歯切れが極めて悪いなと。ましていわんや、県立においては推薦制導入なんか必要ないのです、県にはたくさんの子供たち、そういう人材がどんどん集まってきますから……。ところが、やはり市立高校となりますといろんな面で問題があろうかと思いますので、そういう優秀な人を集めるためにも、ぜひひとつこの推薦制を速やかに決定していただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。  それから、教育委員会の中で博物館の問題ですけれども、箱物については今後の推移を見守っていきたいと思いますが、ここ十年ぐらいさかのぼってこの博物館の歴代の館長さんを見ますと、大体一年とか、それから短い人では二カ月とか、さらに短い人は十五日間だったとか、それから長い人は五年九カ月おられた方もおります。大体一年とか二年とか一年三カ月とか、そういう状況でくるくる館長がかわっておるということです。  これはどういうことかといいますと、人事的に自分たちの都合のいいようなことかなんか知りませんけれども……。じゃ、ある人がある部でちょっと何か問題があったと、そうしますと、そういう人を人事異動のときに博物館の方に持っていくという、そのような状況で──極めて本市の文化レベル──博物館とか美術館というのは本市の顔であります。またその文化のレベルの高さ、低さというものは、そういうところで判断をするという極めて大事なレベルにあるのも事実なんです。  これほどまでに博物館というところはすごいものかと、大事なのかと、みんな博物館長になってこられた方は本当に一生懸命やっておられますよ、たとえ何日であろうと。これはもう、中村順行助役さんも十五日間ちょっとおられたことがあるのですね、御存じないと思うのですけれども。そういうことになってこられたことも──十五日間館長さんになられたという、事務的なそういうものがあるのです。  かつて西岡さんという人が──この方も一年しかしなかったけれども、この人が博物館から館長になったときは、やはりこれは全国から、熊本というところはすごいところだなということで、文化のレベルの高さを非常に他都市からもあがめられたのですけれど、このごろは、税金を取り損ねたとかかけ過ぎたといったら館長さんにやって、まさしく熊本市の恥部をですね、あるところに何か押しやってしまうというような、そのようなことが現実問題として、歴代の館長さんを見ますと、全部それなりに理由があるのです。  だから、どうかひとつ市長さん、これは本当に、熊本の文化レベルの高さ──県だって鈴木健二さんとかなんとか、日本の有名な方がでんと座っていらっしゃるじゃないですか。ぜひ今後、この博物館の館長人事についてはひとつしっかり目を通してすばらしい博物館にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。  次に、福祉問題についてお尋ねをしていきたいと思います。  市民部で発行している証明書類の出前サービスを、障害者、虚弱者の人々を対象に実施してはいかがでありましょうか。その出前サービスの対象者と範囲については、例えて申しますならば、身体障害者一、二級と単身世帯の身体虚弱者の人、それから状況によっては三級の身体障害者や身体虚弱者の夫婦だけの世帯も認めるなど、出前サービスをするサービス範囲も、当面は住民票、印鑑証明書、外国人登録証明書などから試験的に始めてはいかがなものであろうかと思うわけであります。  具体的なサービス方法としては、このサービスを利用したい人が、午前何時から何時までの間に電話で市民部に申請をする。そして申請を受けた市民部が本庁と支所に区分して、関係職員がその日のうちに配達をするというものでございます。  このような出前サービスを本市として速やかに実行していただきたいと思いますけれども、どのようなお考えでありますか、お尋ねをしておきたいと思います。  次に環境問題について質問いたします。地下水の質と量の問題について二点お尋ねをします。  第一点は、汚染の浄化対策についてであります。  東野地区のガソリン汚染と高平台地区のトリクロロエチレン汚染につきましては、その実態が初めて明らかになったとき、飲用水を初め生活用水のすべてを地下水に頼っている我々熊本市民にとりまして、まことにショッキングな出来事でありました。地下水は本来きれいなものだというそれまでの常識が覆されて、汚染源の近くには上水道の水源あるいは家庭用の飲用井戸が数多く存在し、日々の市民生活が根底から脅かされるという事態が生じたのであります。  その後の執行部の努力によりまして、汚染源の解明と浄化対策への取り組みがなされて、汚染は次第に回復しつつある旨伺っておりますけれども、私たちは二つの地区の地下水汚染により、環境とのかかわりについて大きな教訓を得ました。両地区に投じられました対策経費は約五億円になります。私たちが自然環境に対するいたわりと思いやりをなくしたとき、そのツケがいかに大きなものであるか、まさに地下からの警鐘の叫びが聞こえてくるのであります。  汚染の完全回復までには、まだなお一層の努力が必要と思われますが、両地区の汚染の現状と今後の見通しはどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。  第二点は、地下水の量の問題で、涵養対策についてであります。  水の都熊本を象徴するものの一つに水前寺公園がありますけれども、その水前寺公園が今瀕死の状態にあります。昨年、一昨年と二年連続で池の水は干し上がり、ところどころに中洲があらわれました。毎年地下水位の低下する春先から梅雨入りまでの間は、自然の湧水だけでは池の水が維持できずに、動力ポンプで補給しなければならないところまでになっているのであります。  また、平成五年、六年にかけて県と市が行いました熊本地域地下水総合調査によりますと、平成二十二年には、熊本地域の涵養量は約七%減少すると、またこのために湧水の減少や地下水位の低下がさらに進行すると予測しております。  このような地下水の危機的な状況を回復させ、豊かな熊本の水を将来にわたって守り伝えるために、県市は共同で、平成七年度に熊本地域地下水総合保全管理計画を策定しました。管理計画の中身を見ますと、目標涵養量を年間七億二千万トンに設定してあります。これを達成するための施策として、涵養機能の保全と涵養事業の推進を今後強力に図っていくこととしております。  私は、これまで地下水量の保全にとっては水源涵養林造成事業の重要性、特に涵養能力の高い広葉樹林の保全を強く訴えてまいりましたが、現在、これほどまでに打撃を受けている地下水を回復させるには、森林、草地の保全等を進めながら、あわせて、雨水浸透ますなどの人工的な手法による涵養対策についても今後ますます推進を図る必要があると思うのでございます。私は、そうした具体的な対策に積極的かつ粘り強く取り組まなければ、危機的な状況は克服できないと思うのでございます。  熊本市内では、これまでさまざまな形で人工涵養対策に取り組んでおられますが、私は、涵養効果の高い地下水の上流域でこそ、より積極的な取り組みが必要ではないかと考えるものでございます。  きのうも質問がございましたけれども、上流域での人工涵養対策について、今後具体的にどのように進められているのかお尋ねをしておきたいと思います。  さらに公害問題についてお尋ねをしておきます。  先般の報道によりますと、この猛毒のダイオキシンがごみ焼却施設周辺の大気や土壌などから相次いで検出されており、県内でも二カ所のごみ焼却施設が厚生省が定めた排出基準値を超えております。  現在、厚生省では、五年半ぶりにダイオキシン対策のガイドラインの見直しに乗り出すなど、その対応強化にやっと重い腰を上げたところでございます。  熊本市におきましては、環境工場においてダイオキシンの定期的な測定を行う一方、平成七年度から稼働している東部環境工場では、排ガス処理方法を従来の電気集じん機方式からバグフィルター方式を採用するなど、早くからダイオキシン対策に取り組んでおられますけれども、現在のところ厚生省の基準値を大きく下回っておる。しかしながら、今後厚生省の基準値も一段と厳しくなると聞いております。また、微量にしろ人体に大きな影響を及ぼすものが大気中に排出されること自体、大変重要な問題であります。  たとえ微量であっても、長期間吸い続けると人体に悪影響を及ぼしかねない有害物質について、今後どのように取り組んでいかれるのか、特に今後のダイオキシン対策についてお尋ねをしてみたいと思います。  次に、河川環境の問題であります。  先般、九州地方建設局が発表いたしました九州一級河川二十水系における水質調査結果によりますと、白川が汚濁ランキングでワーストワンとなっております。  御存じのとおり白川は、その源を大阿蘇に発し、白川水源を初め多くの水源から清流をいただきながら熊本市の中心部を貫き有明海に注ぐ、熊本県を代表する河川であります。市歌にも代表されているように、熊本市内では小中学校にその名称が使われているなど、県民、市民に最も親しまれている川である白川の水質が九州でワーストワンという事実を、私たちはどのように受けとめればよいのでありましょうか。  私は、照葉樹林の里で有名な宮崎県の綾町を訪れたことがありますが、その綾町には近くに綾川が流れ、アユ釣りをする人で賑わっておりました。そして、清流綾川とアユを町おこしの一環として大いに活用されておりました。  このように河川環境は地域の貴重な財産であります。特に都市においては、魚類を初めとした川の中の生物、川岸の緑とそこに集う昆虫や鳥など、自然に触れ合える数少ない場所であります。このような自然豊かな河川環境を創出していくためには、何よりもまず水質を改善していかなければならないと思うわけでございます。  白川の水質改善につきまして、これまでどのような対策を講じられてきたのか、また、今後どのような対応を考えておられるのかお尋ねをしておきたいと思います。  特に河川環境を保全していくためには、流域の自治体が一体となった取り組みを進める必要があると存じますが、他町村との連携を視野に入れた対応について、当局にお尋ねをいたしたいと思います。        〔市民生活局長 市原敏郎君 登壇〕 ◎市民生活局長(市原敏郎君) お答えを申し上げます。  福祉対策の一環として、一級から三級までの障害者に対する印鑑証明書等のサービスを、電話で受け付けて配達するサービスをしてはどうかとの御質問でございました。        〔議長退席、副議長着席〕  法令上の問題があろうかと存じます。例えば印鑑証明書につきましては、自治省では印鑑登録証明事務処理要領をまとめ、管内市町村を指導するよう都道府県に通達を発しております。この通達によれば、「市町村長は、印鑑登録証を持参して印鑑の登録の証明を受けようとする者に対してのみ印鑑登録証明書を交付するものとする」となっており、条例にも第十条に同様の趣旨が規定されておるわけでございます。  現時点では大変難しいものと考えます。今後の研究課題とさせていただきます。        〔環境保全局長 矢毛隆三君 登壇〕 ◎環境保全局長(矢毛隆三君) 環境問題についての三点についてお答えを申し上げます。  まず、地下水保全対策について二点ございます。  東野、高平両地区の地下水汚染についてでございますが、平成三年に、ほぼ時を同じくして発生いたしましたこの二つの地下水汚染につきましては、当時、保健衛生委員であられた西野先生を初め市議会の御指導のもと、平成四年から浄化対策に着手しております。そして現在に至っているわけでございます。  以来、約五年の歳月が経過したところでございますが、東野地区につきましては、ガソリン成分によって汚染されております井戸の数は、最も状況の悪かった平成三年には二十四本でございました。しかし、現在では七本にまで減少しているところでございます。  また、ベンゼンの濃度につきましても、最高では六十七ミリグラムパーリッターでございましたが、現在では三・一ミリグラムパーリッターまでに低下しているところでございます。  さらに、過去四回にわたり、冬場から春先にかけて出現しておりましたガソリンの油層も、平成七年四月五日を最後にこれまで全く見られておりません。  そのため、ガソリンの油層そのものの回収はその時点で終わったのではないかと考えられます。しかしながら、まだ地下水の中のベンゼン、トルエン、キシレン等の、いわゆるガソリン成分の除去につきましては、いましばらくの浄化が必要ではなかろうかと考えております。  また、高平台地区のトリクロロエチレンによる汚染につきましても、揚水処理方式、ガス吸引処理方式、活性炭吸着方式等を駆使いたしまして、一月末までに約二千四百キログラムのトリクロロエチレンを回収いたしております。  汚染濃度の方も、浄化対策を実施いたしております汚染源の最高値で八・七ミリグラムパーリッター、周辺井戸では〇・〇七六ミリグラムパーリッターまでに低下をいたしております。しかしながら、こちらの方もいましばらくの除去対策が必要であると考えております。  次に地下水の涵養対策についてでございますが、西野議員御指摘のとおり、上流域における涵養事業の推進は、今後の地下水保全対策において最も重要な施策であると、私どもも強く認識しているところでございます。したがいまして、平成九年度には、周辺市町村が実施する家庭用雨水浸透ます補助制度に対し、熊本県と財団法人熊本地下水基金から助成をする制度を新たに創設したいと考えております。  制度の内容といたしましては、本市の助成額と同じ一万六千円を基準額といたしまして、基準額に対し財団法人地下水基金が三分の一、熊本県が三分の一、地元市町村が三分の一を助成するシステムをお願いしたいと考えております。  現在、地域内の市町村で家庭用雨水浸透ます補助制度を検討中と伺っておりますが、今後も財団法人熊本地下水基金を通じ、上流域への雨水浸透施設の普及を積極的に図ってまいりたいと考えております。  次に、ダイオキシン等有害大気汚染物質対策についてでございます。  ダイオキシン等有害大気汚染物質に対する今後の取り組みについては非常に重要な問題でございます。近年の我が国の大気環境の測定結果によりますと、大気中から低濃度ではありますが、発がん性等の有害性が問題とされる物質が種々検出されており、その種類によりましては、長期曝露によります人体への影響が懸念されております。  このような状況を踏まえまして、昨年五月に大気汚染防止法が改正されたところでございます。この法律の改正の要点といたしましては、国、地方公共団体における有害大気汚染物質による大気汚染状況の把握、また、事業者における排出抑制のための積極的な取り組みなどが主な改正点でございます。また、優先的に取り組むべき物質といたしまして、ベンゼン、テトラクロロエチレン、ダイオキシン等二十二物質が指定されております。  本市におきましては、本改正を受け、地方自治体の努力義務とされております十六物質のうち、ベンゼン、テトラクロロエチレン等十三物質について平成九年度からモニタリング調査を実施することとし、平成九年度当初予算で所要の措置をお願いしているところでございます。  なお、議員御指摘の大気中のダイオキシンの検査につきましては、高度の安全性を保つための施設が必要なこと、また、環境庁から測定マニュアルがいまだに示されていないこと、さらには、検査技術の習得に時間を要することなどから、早急な対応は非常に難しい状況にあると考えております。  しかし、いずれにしましても、史上最強の毒物と言われておりますダイオキシンでございますので、今後ともこれら諸問題の解決に努力します一方、国、県の動向も踏まえながら対応してまいりたいと考えております。  次に白川の水質についてでございます。  昨年七月に、建設省が発表しました九州管内の一級河川における平成七年度の水質調査結果では、議員御指摘のとおり、白川の水質がワーストワンでございました。  一方、本市におきましても、環境基準点に指定されております市北東部の吉原橋で水質の測定を実施しておりますが、この五年間のBODの結果を見ますと、二・四ないし三・二ミリグラムパーリッターと、環境基準値二ミリグラムパーリッターを若干超過している状況であります。この状況は大体魚類の生息環境といたしましては、アユが生息できる環境であるとされております。  水質の悪化の原因といたしましては、白川中流域での都市化の進展、下水道の整備のおくれによる家庭排水の流入、さらには、平成六年度の渇水などが影響しているものと考えられます。  これまで本市におきましては、下水道の普及促進はもとより、啓発面におきましても白川水辺教室の開催など、生活排水対策に努めてきたところでございます。  今後とも、水質の測定等継続して実施してまいりますとともに、人と川との共生を高めるために一層の啓発を推進していく所存でございます。  また、吉原橋上流域の監視強化につきましても、国、県、流域市町村で構成されます白川・緑川水質保全協議会の中で、連携を深めながら水質の向上に努めてまいりたいと考えております。        〔五十三番 西野法久君 登壇〕 ◆五十三番(西野法久君) 証明書類の出前サービスということにつきましては、やはり身障者、虚弱者の方々に対してこれはぜひとも実施しなければならない最も福祉の原点であると私は思います。それをちょっと法的にとかなんとか言ってできないということでありますけれども、果たしてできないのでありましょうか。  今年五月から、人口三十万を有する北海道の函館市においてこの出前サービスを実施するということが決定されております。身障者、虚弱者の方々に対して、役所に取りに来いという姿勢はこれからは通用しないのではないかという気がいたします。行政サービスは外に出て提供する時代が来たのではないかと思います。そういう意味からは、虚弱者、身障者への出前サービスは当然これから行うべきであると私は強く申し上げておきたいと思います。  函館市におきましても、この出前サービスは当局が、市民サービスの大きな前進であり五月中にスタートさせると、将来は配達できる証明書類をふやしていくと、意欲満々であると、このように函館では言っておりますが、熊本ではそれができないということは、どう見ても、市長のあれだけの人にやさしい哲学、これからほど遠いものではないかという気もいたすものでございます。  どうかひとつ、この件につきましては一日も早く検討を重ねて、速やかに実施していただきたいことを強く市長に申し上げておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それから、ダイオキシンの問題ですけれども、これは最近生物濃縮などにより母乳のダイオキシン含有量がふえているという衝撃的な調査結果も出されておるわけでございまして、私たちの日常生活の中にも確実にしのび寄っているわけでございます。先ほども史上最強の猛毒物質であると、自然界にはない人間がつくり出した猛毒でございます。ベトナム戦争で米軍が枯れ葉剤に使用した化学物質で、催奇形性、それからがん、免疫異常、内蔵障害などの人体への影響ははかり知れないものがあると言われております。  本市の清掃工場、環境工場からも、東部の環境工場においては、一号炉、二号炉とも〇・〇六四、〇・〇七五ということで、厚生省の基準よりもはるかに下回っているわけでございますけれども、西部環境工場におきましては、これは平成八年十二月の一号炉、二号炉につきましては九・九、八・八というダイオキシンが検出されているわけでございます。今後の厚生省の基準は極めて厳しく、針路につきましては〇・一ナノという極めて厳しい厚生省の基準が既に発表されているところでございます。ぜひひとつ、こういうダイオキシンにつきましては徹底した除去をしていただきますように強く申し上げておきたいと思います。今後の清掃工場のあり方、しっかりひとつ検討をしていただきたいと思います。  それでは、次に移ります。食品工業団地についてお尋ねいたしますが、この団地は、環境事業団の制度を活用し、総工費百五十億円をかけ、協同組合熊本ガーデンファクトリーパークと熊本市が推進しているもので、団地内では、工場見学や体験、製品の試食、できたての食品素材を原料とした個性あるレストランなど、生産者と消費者の交流を通して新しい食文化を発信する全国初の工業団地として大きな関心と期待が寄せられております。  そこで、十一月一日オープンを目の前にいたしまして、現時点でのガーデンファクトリーパークの概要とその取り組み状況、そして、食のテーマパーク的事業展開ということでの施設整備の状況、また、新たな観光スポットとしての見通しや可能性、さらには、この新しい試みが地域経済に与える影響について当局にお尋ねをしておきたいと思います。        〔経済振興局長 坂田憲一君 登壇〕 ◎経済振興局長(坂田憲一君) 熊本ガーデンファクトリーパークにつきまして西野議員にお答えをいたします。  この熊本ガーデンファクトリーパークは、本市のリーディング産業でございます食品製造業の振興並びに地域経済の活性化を図る目的でただいま建設が進められているところでございます。特徴といたしまして、約二十六ヘクタールの広大な敷地の中に、くつろぎのスペースとしての鎮守の森を中心に、それぞれの思いを凝らした企業の建物が建ち並び、緑地部分を団地全体の面積の三四%以上確保するなど、人と車の分離を図るとともに、積極的に公害防止に努め、環境と人に優しいパークとなるよう心がけられております。  現在の進捗状況といたしましては、平成七年十二月に造成工事に着手をいたしておりますし、昨年七月、まだ仮称でございますけれども、熊本市食品交流会館、そして十二月には組合建築工事に着手をいたしており、本年十一月一日のオープンに向け、ただいま建設が進んでいるところでございます。  また、未入居地への企業誘致活動も積極的に行っており、完成後の運営等につきましても外部委託の方向でただいま鋭意検討中でございます。  本パークは、議員御指摘のとおり食のテーマパーク的事業展開を目指しており、入居する企業には見学や体験のできるコーナーやレストラン等の施設が併設されることになっており、また、入居企業による食品展示会や新製品発表会、料理教室等、本市が建設中の食品交流会館を中心に、消費者との交流を通して新しい食文化の創造、発信を行っていく考えでございます。  さらには、食文化に触れるだけでなく、本市の特産品、工芸品等の製造見学や、体験、購入のできる「こだわり工房村」も建設が予定されております。その中には、魅力をさらに向上させるため周辺農家とのタイアップによる朝市や、団体客が一堂に食事ができる大型の共同レストランが設置される予定でもあります。またパーク内には約八百台収容の駐車場も建設されます。  このガーデンファクトリーパークが完成いたしますと、これまで熊本になかったユニークな観光ポイントとしても十分な機能を備えた施設となり、特にこれまでの見る観光から体験する観光への脱却が図られると思います。  懸案でありました修学旅行等の団体客の食事、休憩の場所が確保され、滞留時間の延長にもつながることになるわけでございます。既に対外的な宣伝活動を始めておりますが、今後ともさらに積極的な宣伝活動に努めてまいりたいと思っております。  本事業が地域経済に及ぼす効果といたしましては、まず新たな雇用の創出はもちろんでございますが、企業間の交流や農業との連携、生活者との交流などいろいろな意味での地域経済の活性化をもたらすものと確信をいたしております。  本市といたしましても、本パークが新しい食文化の形成に寄与し、情報の発信を行う拠点として発展していくよう積極的に事業の展開を図っていくつもりであります。どうぞよろしくお願い申し上げます。        〔五十三番 西野法久君 登壇〕 ◆五十三番(西野法久君) 今後の取り組みをひとつ期待をし見守っていきたいと思います。  次に、都市、建設諸問題についてお尋ねをいたします。  本市は、昨年の四月に地方分権の推進という大きな流れの中で中核市として新たな第一歩を踏み出すことになりました。この中核市指定を契機として、さらなる本市の発展を図るためには、広域道路の整備や鹿児島本線の高架化、さらには新幹線の整備などの交通網の整備を進めることも重要でありますが、都市の活力をさらに高めるためには、再開発などによる中心市街地整備の推進も重要でございます。  そこで、本市中心部の再開発の推進についてお伺いをいたしたいと思います。  本市の都心部と言われる上通り、下通りから新市街へかけての一帯は、商業、業務、文化、行政などの中枢機能が集積した地区であり、九州を代表する市街地の一つでもございます。また、この地区は、まさに熊本県を代表する地区でもあります。本市はもとより、熊本広域都市圏経済を牽引する重要な役割を担う地区でもあります。  このような既成市街地を九州中央の拠点都市また中核市の中心部として、活力と魅力にあふれるまちとして高めていくためには、再開発事業による再生が特に待たれているところでもあります。現在、手取本町の熊本県の旧福祉会館跡地を含む一帯や、上通地区の熊本日日新聞社周辺において再開発が具体的に進められていると伺っております。  この手取本町地区と上通地区の二地区の再開発がどのような位置づけのもとに推進されているのか。また、再開発ビルの施設内容と現在の進捗状況、及びこれらの再開発事業が完成した後における波及効果について、どのように考えて臨まれているのか、都市整備局長にお尋ねをいたしたいと思います。
     次に、本市の総合計画の策定を機会に計画された坪井川リバーウオーク構想などの三つのビッグプロジェクト構想への取り組みについてお尋ねをしておきたいと思います。  坪井川リバーウオーク構想についてでありますが、これは平成三年三月に策定されたものでありますが、ふれあい、ながめ、ゆきかい、つどい、そしてにぎわいを整備方針に掲げ、坪井川周辺を人々の憩いの場として一体的整備を図ろうとするものであります。  また、フィールド・ミュージーアム(歴史回廊都市くまもと)構想は、平成元年三月に策定され、本市の長い歴史を伝える旧城下町地域を対象としてさまざまな歴史的資源を見出し、それを現代の都市づくりに活用しようとする構想であります。  そして、南熊本駅周辺整備構想は、平成十六年の事業完了を目標として、本市の多極的都市構造の形成に向けた拠点整備の一環として策定されたものでございます。  私は、当時、これらの構想が実現すれば、本市将来の都市空間は、魅力あふれる姿へと大きく変貌していくと高く評価し、期待していたわけであります。しかしながら、数年の月日が経過した今日、いまだその具体的な姿は一向に市民の目には見えず、また、最近の組織、予算措置等の流れを見ても、事実上これらの構想は立ち消えになったかとの印象を強く受けるわけであります。  もちろん、いずれの構想も長期かつ莫大な費用を要する事業であることは理解しております。また、現下の厳しい財政状況の中で、その実現性が薄れてきているのも理解できないわけではありません。財政難の折でもあり、事業の見直し、事業費の削減ももちろん考えるべきであると思います。が、しかしながら、その方向性までをもすべて否定してしまうのはいかがなものかと思うのであります。  そこで私は、これらの構想の中身をいま一度吟味し、構想策定当時からの時代変化はあっても、今なお不変の価値が見出せる部分については、これからの都市づくりに当たっても十分活用していくべきではないかと思うのであります。  一向に姿の見えない坪井川リバーウオーク構想、フィールド・ミュージーアム構想、南熊本駅周辺整備構想への取り組みについて、どのようなお考えをお持ちなのか、御当局にお尋ねをしておきたいと思います。  さらに、水前寺江津湖公園についてお尋ねをしておきたいと思います。  御存じのとおり、水前寺江津湖公園は、近代的な都市の中に残された市民のオアシスであり、水の都のシンボルとして、あるいは、水辺の生態系を保つ自然保護の拠点として人々に親しまれている広域公園であります。  このようなことから、私は、去る平成四年の第一回定例会におきまして、当時行われたアンケート調査の結果を御紹介しながら、江津湖の再生といった観点を含めた水前寺江津湖公園の整備について何点かの質問を行ったところであります。  その中で私は、上江津湖の中の島へ渡る橋のスロープ化を取り上げました。上江津湖に浮かぶ中の島は、湖の真ん中で自然を肌で感じることができる貴重な場所として、多くの市民に利用されている水前寺江津湖公園の中でも非常に重要な施設であります。しかしながら、中の島へ渡るための橋梁はアーチ型の階段になっており、車いすでは中の島へ行くことができないばかりか、お年寄りや子供にとっても危険な構造になっているのであります。  したがいまして私は、だれもが安全に中の島へ渡れて、湖上を渡る風を受けながら江津湖の自然を満喫できるように、この橋をスロープ化するべきではないかと訴えたのであります。  このような中にありまして、ようやく来年度の予算に上江津湖のスロープ橋整備の経費が計上されました。遅きに失した感は否めませんが、水前寺江津湖公園のさらなる整備、充実を願う私としましては、その先駆けとして大いに期待をしているところであります。  この上江津湖のスロープ橋について、スケジュールを含めた整備内容をぜひお聞かせいただきたいと思います。  ここで、私なりに考えた水前寺江津湖公園の整備構想を御提案したいと思います。  それは、野生動植物の生息空間いわゆるビオトープの考え方に基づくものであります。私は、水前寺江津湖公園を、江津湖に自生する水生植物を保全し、そこに生息する小動物とも触れ合える市民の憩いの場、環境教育の場として整備していくことが大切ではないかと考えるものであります。  そこで、テーマを「生き物と触れ合える公園」とし、一つ、水辺ゾーン、二つ、生物ゾーン、三つ、芝生ゾーン、四つ、湿地ゾーンの四つのゾーンを設けて整備を行ってはどうでありましょうか。  まず水辺ゾーンは、江津湖にすむ魚やカニ、エビ、貝などが見えるようにする。生物ゾーンは、トンボやカエルなどの昆虫や小動物が生息できるような環境を創出し、散策路を整備して身近な自然観察を可能にする。湿地ゾーンは、自然のままの湿地帯とし、植生の復元を目指す。芝生ゾーンは、広域避難場所としての機能を兼ね備えた芝生広場とするというものであります。一方周辺は、樹木を繁茂させ野鳥の繁殖地とするなどであります。  実現までには、県、市の事業主体の問題、関連する漁業者との調整等、クリアしなければならない問題もあるかとは思いますが、私は、自然との共生の中で、自然の営みを実感できる水前寺江津湖公園、このような姿を思い描いているものであります。  ただいま、私が申し上げた水前寺江津湖公園の整備方針をどのように思われ、そして今後どのように取り組んでいかれるのか、関係当局に御答弁をお願いしたいと思います。        〔都市整備局長 田尻 紘君 登壇〕 ◎都市整備局長(田尻紘君) 七項目にわたる御質問であったかと思います。順次お答えを申し上げます。  まず、手取本町地区、上通地区の再開発についてでございますが、議員も述べられましたとおり、本市中心部は、商業、業務、文化、行政施設等の機能が集積した熊本都市圏の核であるとともに、本市全体の発展を牽引する重要な役割を担っております。  しかし近年、この地域では居住人口の郊外流出によるインナーシティー問題や、高齢化によるコミュニティーの衰退、あるいは大規模店舗の郊外への展開と、消費形態の変化等による商店街の活力低下などの都市問題が生じております。  このような状況のもと、本市では中心市街地の望ましい整備の方向と再開発事業の実現を目指すため、平成七年熊本市中心市街地地区・市街地総合再生基本計画を策定し、その中で手取本町地区、上通地区を再開発の重点地区と位置づけ、その整備推進に努めているところでございます。  手取本町地区におきましては、平成七年七月に準備組合が設立され、高度利用地区及び第一種市街地再開発事業の都市計画決定の手続を経て、本年二月に事業計画の知事認可の運びとなっております。  なお、当事業の施設建築物の概要といたしましては、五千七百三十平方メートルの敷地に、地下三階、地上十階、延べ床面積約五万一千五百平方メートル、事業費としまして約二百二十億円を予定いたしております。  また計画施設の用途といたしましては、百貨店、多目的ホール、病院、駐車場並びに公共施設として、女性センターや生涯学習推進センター及び物産館等から成る複合施設の建築物が予定をされております。  特にこの再開発事業では、市民の方々に快適で安全な都市空間を確保するために、建物の周囲にゆとりある歩行者空間や憩いの場としてのポケットパークなど、約一千四百平方メートルのオープンスペースを整備するとともに、屋上庭園や植樹による潤いのある空間を市民に提供する計画となっております。  平成十一年に開催をされます熊本国体に合わせて、水道町交差点の一角に、熊本城や周辺の環境に調和をした近代的なデザインの再開発ビルが出現することになります。  一方、上通地区におきましては、事業計画案について詳細な検討を行う推進計画を策定中であります。地元におきましては、平成八年に発起人会が組織をされまして、本年四月には再開発の準備組合が設立される予定となっております。  当地区は、約九千平方メートルの敷地に、延べ床面積六万平米程度の規模を想定した商業、業務施設、教育文化施設、駐車場等を整備し、あわせて、敷地内にオープンスペースや緑化など、魅力ある都市空間を配置する計画が検討をされております。  この上通地区は、手取本町地区との相乗効果を発揮する再開発事業としまして、平成十三年の建物完成を目指しており、本市も一体となった事業推進を図っているところでございます。  したがいまして、この中心市街地に本市を代表する二つの再開発事業が完了いたしますと、都市機能が充実するとともにまちの魅力を高めることができます。このことは、他の地区における再開発事業の起爆剤としての効果は大きなものがあると考えておりますし、さらには、本市中心部への集客力、回遊性を高める結果となり、再開発地区を初め周辺商店街の活性化の促進はもとより、新たな雇用の創出と経済活動を増強させるなどの波及効果が期待されるものであり、本市といたしましても、この二地区の再開発事業が、本市の商業地を九州のトップを争う地区とする絶好の機会としてとらえ、県内を問わず、全国から多くの人々が訪れてくるような、都市の魅力を創出するチャンスとして受けとめ、積極的に取り組んでいく所存であります。  次に、坪井川リバーウオーク構想、フィールド・ミュージアム構想、南熊本駅周辺整備への取り組みについてお答えをいたします。  まず、坪井川リバーウオーク構想は議員御案内のように、熊本市総合計画に掲げます「水と緑の人間環境都市」を目指した構想の一環でございます。  この中では、千葉城から春日まで約三・三キロの間を周辺とあわせ整備するという壮大なプランでありますが、既に環境整備事業としまして、千葉城公園、桜町緑地、小沢町緑地など、一部において今日まで整備を行ってまいりました。構想自体が超長期を想定して立案されたものでありますので、今後も財源状況、効果等を勘案しながら、実施可能なところから地域に合った整備に逐次取り組んでまいりたいと考えております。  次にフィールド・ミュージアム構想についてでございますが、これは本市の持つ歴史遺産と自然を一体的、有機的に結び、歴史都市としてのまちづくりや自然との共生を図る野外博物館とも言えるプランであります。  熊本城を中心とする市街地から西山一帯に広がる広大な整備構想でありますので、各部局において関連する諸施設の整備を図る際には、その方向性を示す指針とも言うべきものであると考えております。なお、平成九年度におきまして、島崎地区内での事業可能性について検討、調査を行う予定にいたしております。今後とも、本市の豊かな自然と歴史を後世に残すため、構想の趣旨を生かしていくことは大切なことであると考えます。  次に南熊本駅周辺整備構想につきましては、区画整理事業を前提とした再開発型整備計画を目指して、国鉄清算事業団用地約一・六ヘクタールを既に取得するなど、事業化に向けての検討を進めてまいりましたが、経済の停滞による民間投資意欲の冷え込み等から、計画どおりの推進は厳しい状況にあります。  したがいまして、今後、新たな整備手法を模索するため、地元企業や住民の方々との協議を重ね、事業のあり方、促進策を鋭意検討してまいりたいと考えております。  最後に、水前寺江津湖公園の整備についてでございますが、水前寺江津湖公園は、計画面積百二十六・五ヘクタールのうち、平成八年度末で約百十ヘクタールが供用いたしております。  お尋ねの第一点目、中の島へ渡る橋のスロープ化についてお答えをします。  現在、中の島には五つの橋梁がかかっておりますが、建設以来三十数年を経過しておりまして、老朽化が見受けられ、また弱者の方に利用しにくい構造となっております。このため、「心のかようまちづくり」の一環として、また自然との触れ合いの場所として、江津湖の景観に配慮した橋梁等の整備を行い、公園のバリアフリー化を図っていく計画でございます。  平成九年度は、中の島にかかります五つの橋梁のうち、右岸側より一号橋、二号橋の事業費を本議会にお願いをしているところでございまして、残りの橋梁及び中の島周辺の整備も順次進めてまいる予定でございます。  次に今後の整備計画についてでございますが、本公園におきましては、今年度から未整備であります上江津地区北東部の三・二ヘクタールについて事業に着手したところでございます。  現在までに、買収が必要な一・一ヘクタールのうち〇・四ヘクタールを買収し、今後、平成十年度までに用地買収を完了、平成十一年度から施設の整備に着手をしたいと考えております。  この地区の整備に当たりましては、これまでと同様に、本公園が有します豊かな湧水、数多くの野鳥類、魚介類、昆虫類のほか、水性、湿性植物等の自然環境の保全を基本方針として考えており、このことは、西野議員が述べられました趣旨に沿うものであると思います。  また御提案の自然環境の回復、自然との触れ合いのための四つのゾーンの整備につきましても、実現可能なものについて、この整備計画の中に取り込んでまいりたいと考えております。  また、この整備に当たりましては、県並びに熊本市漁業協同組合、関係団体との連絡を密にしながら進めてまいる所存でございます。        〔五十三番 西野法久君 登壇〕 ◆五十三番(西野法久君) 三つのビッグプロジェクト構想、これにつきましては本市基本計画の根幹にかかわる政策であり、議会においても見過ごして通れない重大課題であります。財政政策転換が必要ではないかと思うわけでございます。構想の見直しを強く要望しておきたいと思います。  本来ならば、財政当局、さらには市長、助役等にもこの問題については深く掘り下げて質問してみたいと思いましたけれども、時間の都合で省略をさせていただきますが、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。  再開発事業についても、大いに本市の発展のために私どもは期待をいたしております。しっかり頑張っていただきたい。特に、当初に申し上げましたビッグプロジェクト構想の中の坪井川リバーウオークにつきましても既に十六億の金をつぎ込んでおるわけでございまして、これはもともと二千億からなる大規模な事業でございましたが、恐らくこれはもう不可能であると、このように思っておるところでもございます。ひとつ賢明な施策をよろしくお願いしたいと思います。  また、南熊本駅前につきましても、既に八億円を投じて国鉄清算事業団の用地を確保しておりますけれども、これも恐らく死に体ではないかなと、非常に悲観した立場でしか見られないというような状況にあります。このかじ取りは、執行部においても、議会においても極めて大事なことであると思いますので、ひとつ今後ともこの論議は重ねていきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  あと一気に参ります。住宅の建設について二点ほどお尋ねをいたしたいと思います。  まず、第一点は市営住宅と福祉施策についてでありますが、平成九年度の当初予算を見ますと、これまで年間五百戸を建設していた市営住宅は、三百五十戸へと百五十戸が減少しているようであります。  この戸数の問題については、既に市営住宅の管理戸数が一万戸を超える状況であること、他の中核市と比較しても市民一人当たりの住宅数で相当高いレベルにあること、あるいは現下の厳しい財政状況の中での膨大な建設費など、諸般の状況を考えますと戸数の減もやむを得ないものがあると考えるわけでもございますが、私が申し上げたいのは、戸数が減少したことによって、市営住宅を待ち望んでおられる低所得者の方や高齢者、障害者の方々が、ますます市営住宅に入りにくくなるのではないかということであります。  もともと市営住宅は低所得者を対象にした住宅であるわけですが、現在のように高齢化が進んでまいりますと、わずかな年金収入などから家賃を負担しなければならない高齢者、あるいはもともと高い所得を得にくい障害者の方などがふえてきております。こういったいわゆる社会的弱者と言われる人たちこそ、本当に市営住宅を必要としているのではないかと思います。  もう一つは、ただ単に住む場所があればいいということではなく、そういう人たちは日常生活の中で、いろいろな不安や不便を持ちながら生活しておられるわけで、そういった意味では、安心を提供するということも行政の責任として手だてが必要ではないかと思うわけでございます。  こういった高齢者や障害者の方々に対して、今後どういう住宅対策を講じられていくのか、その具体的内容と福祉との連携のあり方についてお尋ねをいたします。  第二点として、楠団地の建てかえについてでございます。  楠団地は本市でも有数の大型団地でありますが、そこの古くて狭い住宅が新しくなるということで、入居者の皆さんも大変喜んでおられる反面、家賃が若干高くなるため、その点では心配だということも聞いております。  その点についても、できるだけの配慮をお願いしたいと思いますが、お尋ねしたいのは団地の建てかえに当たって、先ほどお尋ねした福祉への対応、施策との関係がどうなっているのか、全体計画をお答えいただく中で御答弁をお願いしたいと思います。  また昨年、我が会派の同僚、中沢議員も質問しておりますが、障害者の方などのグループホームの整備はどうなっているのかについてもあわせてお尋ねをしておきたいと思います。  次に、交通局電車車両基地の移転及び上熊本ターミナルビル建設についてお尋ねをしておきたいと思います。  交通局電車車両基地の移転の必要性はかなり前から問題になっていました。その理由は、大きく分けると三点あると思います。  その第一は、現在の車両基地施設の老朽化に伴う機能の低下であります。電車の運行に必要な諸施設のほとんどが大正十三年の開業時に建設されたものであるということ。  第二は、現在地が都市計画法上商業地域となっているため、電車の整備工場等の建てかえ等ができないということであります。  第三は、将来の市電ネットワークの強化のため、基地機能の分散化が必要であり、将来の市電路線の拡大を見据え、新たなターミナルが必要であるという三つの理由であります。  このような認識のもと、平成元年六月二十二日に、上熊本貨物ヤード跡地を国鉄清算事業団九州支社用地企画課に打診、以来既に九年の歳月が経過しております。  本来ならば、平成九年、本年は完成予定の年でありながら、いまだに建設のめどが立っていない理由はどこにあるのか。その経過並びに問題点を明確にしていただきたいと思うわけでございます。  また平成五年に、電車車両基地に公営住宅及び映像を主体とする教育施設を整備するということで、基本設計料四千六百万をかけて十一階建てのターミナルビル建設の構想が出されましたが、その建設平米単価は六十万というものでありました。私は、これは見直しが必要だと思います。なぜならば、現在の計画は、交通局使用階数二階、福祉関係四階、計六階建てになるようですから、おのずから建設単価は安くなると思われるからであります。  福祉関係では平米当たり三十万円程度でなければと考えますが、その設計見直し、積算はどのようになっているのか御答弁をいただきたいと思います。  また関連して、上熊本ターミナル電車基地には、市電四十六両のうち三十二両しか入庫できないようですが、あとの十四両はどこに配置するのか、現在地の利用もあり得るのでしょうか、お尋ねをしておきたいと思います。  次に、市電関連の二点目として、市電の延長問題についてお尋ねをしておきたいと思います。  いまだに、交通問題検討委員会で、警察関係の委員から市電廃止の意見が出ているようですが、私は、その理由の一つに挙げられるのは、本市は市電を存続するとは言っているものの、基本的な構想、将来計画等を整備していないところにあり、そこにつけ込まれているのではないかと考えるのであります。  路線延長や旧路線の復元等の計画指針を早急に作成するべきではないかと考えますが、当局のお考えを聞かせてください。  なお最後に、新型超低床二両連結車の運行は、世界ハンドボール選手権大会までに間に合うのか、あわせてお尋ねをしておきたいと思います。  あわせて、高齢者は年々増加しており、二十一世紀の日本の人口変動を予測した厚生省の調査によりますと、今世紀中には六十五歳以上の老年人口が十四歳以下の年少人口を上回る逆転現象が起き、さらに二〇五〇年には、老年人口割合が三二・三%となり、三人に一人が高齢者という超高齢社会の到来を予測しています。  虚弱な高齢者については、新ゴールドプランに基づき着々と整備がなされているところでありますが、高齢者の大半は元気な方でありまして、いつまでも元気で生きがいを持ち、生き生きとした生活が送れるような環境の整備もまた大切ではなかろうかと考える次第でございます。  新年度にはグラウンドゴルフ場の整備についても予算案の計上がなされておりますが、スポーツを通して、高齢者の健康増進はもとより、コミュニティーの場としても格好の場となろうかと思います。  さらに、上熊本車両基地につきまして実施設計がなされるようでありますが、ここはJRや電車、バス等の公共交通機関が乗り入れており、利便性もよく、元気な高齢者の方々の活動の拠点施設には最適な場所ではないかと考えますが、いかがでありましょうか。  元気な高齢者が社交ダンスを楽しんだり、高齢となった町のたくみが高齢者や子供たち等に技術を教え伝承したり、あるいはゆっくりとふろに入ってリラックスできるような施設はできないものでありましょうか。  上熊本車両基地には土地の有効活用のため複合施設を考えておられるようですが、高齢者のための施設としてどのようなものをお考えなのか、関係当局にお尋ねをしておきます。        〔建設局長 齊藤 聰君 登壇〕 ◎建設局長(齊藤聰君) 市営住宅について二点お答えを申し上げます。  市営住宅の建設戸数の問題につきましては、平成七年度から策定を進めてまいりました住宅マスタープランの中で、検討委員会の委員による慎重なる御審議をいただき、先般その報告案が取りまとめられたところでございます。  その結果、市営住宅につきましては、年間建設戸数を三百五十戸とする方針が出たところでありますが、この建設戸数の減少が、今後の市営住宅において福祉の後退につながるのではないかというお尋ねであると存じます。  昨年、公営住宅法が改正され、家賃制度や入居基準などが、所得の低い階層や高齢者、障害者などの社会的弱者と言われる人に、より手厚く、いろいろな手だてが講じられましたことは御承知のとおりでございます。  また、先ほど申し上げました住宅マスタープランの中でも、今後の住宅施策の基本的な方向として、福祉との連携強化を強く打ち出しておりますが、住戸のバリアフリー標準装備はもちろん、高齢化社会に対応したシルバーハウジングの建設、障害者の程度に応じたハーフメイド住宅の採用、デイサービスセンター等の福祉施設との併設など、福祉施策との密接な連携なしに市営住宅の建設はできない時期が来ている。表現を変えますと、これからの市営住宅は、ますます福祉住宅としての色彩を強くしているということが言えるのではないかと存じます。  したがいまして、今後の住宅施策を展開するに当たりましては、これまでの市営住宅の量の充足を重視した施策から、福祉への対応など中身の充実への方向転換が必要であると考えており、議員御指摘のように、今後、福祉部門との連携のもとに、施策の充実に努めますとともに、住宅マスタープランに掲げるしあわせを実感できる住まい、まちづくりを目指して努力してまいりたいと考えております。  第二点目お尋ねの楠団地の建てかえ計画についてでございますが、全体計画としましては、楠団地のうち昭和四十三年から四十五年にかけて建設いたしました簡易耐火構造の三百九十八戸を、平成七年から十三年までに四期に分けて建てかえるものでございます。  具体的な内容といたしましては、全住戸のバリアフリー化を図りますとともに、高齢者世話つき住宅であるシルバーハウジングを約百二十戸、一般高齢者向け住宅を七十八戸、重度の障害者向け住宅を十六戸整備する予定でございます。  また、本市でも初めての取り組みとして、団地内にデイサービスセンターの併設を計画しており、周辺地域もエリアに含めた福祉サービスの拠点施設となるよう、現在福祉部局との連携のもとに具体的な協議を進めているところでございます。  あわせて、元気な老人を対象とする生きがいプラザも建設の予定であり、これまでの市営住宅には見られない総合的な福祉団地として生まれ変わる計画でございます。  なお、議員御提案のグループホームにつきましては、障害者の方々の自立を支援するため、市営住宅をグループホームとして利用できるよう先般の公営住宅法の改正に盛り込まれたところでございますが、新たな制度でもあり、もちろん、本市にとりましても初めての事業でございますので、住宅部内に研究班を設置し、十分検討を重ねた上で取り組んでみたいと思っております。        〔交通事業管理者 行徳健次君 登壇〕 ◎交通事業管理者(行徳健次君) 交通局について全部で五点の質問でございました。
     まず最初に、車両基地の移転と上熊本のターミナルビル建設について、関連の三点についてお答えを申し上げます。  御承知のように、車両基地用地の高度利用という視点から、公共施設との複合施設が望ましいという考え方が基本にありまして、多年その複合施設の設計計画が決定せず今日に至っております。今、予定されております施設について今後関係部局と十二分に協議し、早急に対応してまいりたいと考えております。  また、車両基地の建設費についてでありますが、軌道設備、変電あるいは機械装置類等非常に特殊な設備を必要とし、さらに建物内に架線設備も必要なことから吹き抜け構造となっており、従来のビル建設費より非常に割高になっております。当初計画が高層ビルであったということもあわせて大変割高になったかと思っております。しかし、今後の上層階の施設次第では工事費も低くなると思われますので、議員御指摘のように基本計画や積算の見直しも必要であろうと考えております。  三点目の現在地の車庫としての利用についてであります。大江基地工場の老朽化に伴い、機能の低下が大変著しく、早急な移転が望まれております。しかしながら、上熊本車両基地だけでは全車両をとめ置くことが難しく、また密度の濃い効率的なダイヤをお客様に提供するためには、移転後も車両のとめ置きは若干必要かと考えております。  次に、路線の延長と旧路線の復元についてでありますが、議員御案内のとおり、今日、世界的な路面電車の復権の流れの中で、新線の敷設や廃止路線の復活の動きが見られます。今日の交通渋滞の中、定時性を確保しながら、安全、快適に利用でき、また排ガスによる環境問題も相まって路面電車が注目されているところでございます。  こうした背景を見ますとき、本市の貴重な財産であります市電を、将来にわたる熊本市民の重要な足として活用していかなければならないと考えております。さらに、交通としての専門性、政策性を発揮すべく、今後市電のグレードアップとあわせて研究を進めてまいりたいと考えております。  最後に、超低床電車の運行の時期でございますが、車両が四月には完成の予定でございます。その後試験運転、高速走行試験を経て、認可がおりた後習熟運転を実施し、今年の秋口には営業運転が開始される予定と考えております。  御指摘の世界男子ハンドボール大会の対応でございますが、 ちょうど本市で運輸省の運行試験中であろうかと存じます。在熊の皆様には話題の提供ができるものと考えております。        〔市民生活局長 市原敏郎君 登壇〕 ◎市民生活局長(市原敏郎君) お答えを申し上げます。  お尋ねの上熊本車両基地用地の利用につきましては、高齢者の方々ばかりでなく、これから高齢期を迎える世代の方々も対象として、生きがいと健康づくり、そして触れ合いと学習のための総合拠点施設として整備を図りたいと、このように考えております。  基本的な概要を申し上げますと、先ほど議員もお述べになりましたように、陶芸や手芸、あるいは絵画などの創作活動と、歴史や文芸などの教養講座による自己啓発の場としていただく。そのほか、積極的に社会参加していただくきっかけをつくるべく、各種のボランティアリーダー養成講座なども開催したいと、このように考えます。  また、生きがいに満ちた毎日を過ごしていただくためには、何よりも健康であることが大切であります。このような観点から、先ほど議員さんからもお述べをいただきましたように、社交ダンスや軽スポーツなど、多目的な利用のできる、健康増進を図れる施設、また、一日ゆっくりとくつろいでいただけるような機能も持たせたいと考えております。  それに加えまして、今後は単なる老人憩いの場、老人だけの交流の場でなく、他世代の交流も考えていかなければならないと、このように考えます。  近年盛んになっております新しいゲームといいますか、インターネットシステムなど、このようなものも取り入れ、積極的に親しんでいただくようなものにしていきたいと考えております。  今後、交通局とも十分話し合いながら実現に向け検討してまいります。        〔五十三番 西野法久君 登壇〕 ◆五十三番(西野法久君) 最後の質問をもう一点させていただきたいと思います。  水道局では、今議会に水道料金にかかる消費税率を五%にするための水道条例改正案を提案され、九年度予算案も税率五%を当然のこととして編成されています。消費税率の改定は法律に基づくものですから、水道局としては事務的に料金への転嫁を決めたのかもしれません。しかし本市の水道事業は、「常に企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するように運営されなければならない」使命を担っているわけでございます。  先日の本会議で、平成七年度の公営企業会計決算が承認されました。この中で、水道事業会計の状況を見てみますと、事業収益で十六億五千万円の純利益を上げ、内部資金の累積残も四十三億四千万円に達しております。  さらに、平成八年度補正予算では、事業収益が十二億一千万円の黒字、平成九年度予算案でも事業収益は約十億円の黒字となっています。毎年これほどの事業収益を上げ、内部資金も事業経営に困らないほどあるわけですので、今、消費税法の改正により税率が五%になるとはいえ、直ちには市民に転嫁せずともよいのではないでしょうか。  新聞報道等によりますと、静岡県熱海市では、消費税アップ分を吸収するため、水道料金を値下げするとのことでございます。長引く不況と低金利、さらには増税に苦しむこととなる六十五万市民のため、消費税転嫁を凍結されるお考えはないか、水道事業管理者にお尋ねをいたします。        〔水道事業管理者 竈 啓一郎君 登壇〕 ◎水道事業管理者(竈啓一郎君) 本年四月からの消費税の改定に伴いまして、今議会で水道条例の改正を上程させていただいているわけでございますが、その新税率の転嫁を延期できないかという趣旨の御質問でございます。  西野議員におかれましては、日ごろから水道事業の運営に対しまして御指導賜っていることに感謝申し上げる次第でございますが、議員御案内のとおり、水道事業会計の実態は、平成七年度末の企業債の借入残高四百八十六億、現在は約五百億ということになっているわけでございます。また、元利償還金約五十億に達するなどの極めて厳しい状況にあるわけでございます。  水道事業は改めて申し上げるまでもなく、料金収入によってのみ運営されるものでございまして、また、企業債の償還財源といたしましては、収益的収支を絶えず黒字に維持しながらやっていく必要があるわけでございます。御質問の中で触れられました平成七年度十六億五千万、平成八年度十二億二千万の収益的収支の利益金につきましては、現在の調停金利を活用いたしまして長いスパンの中で支払い利息を少しでも低減させると、こういった目的を持って保留しているものでございます。  また、今回の消費税率の改定に伴いまして、向こう四カ年間の財政収支の見通しを試算しているわけでございますが、将来の水需要の見通しでございますとか、そういったものを見越しました上で進めております第五次拡張事業の展開、あるいは震災対策、水の有効利用を図りますための漏水防止対策などの推進に必要な経費の補てんにつきましては、特別な事由が発生しない限りにおきまして、四年間は何とか補てんができるのではないかと見込んでいるところでございます。  仮に、御提案の消費税率を据え置きました場合、二億八千万の収入減というふうになるわけでございまして、事業運営に大きな影響を与えますし、その結果生じます不足分につきましては、近い将来また市民の方々に御負担をいただかなければならないという結果にもなるわけでございます。  今回の消費税率の改定につきましては、国政の場におきましてもさまざまな論議が行われていることは承知しているところでございますが、水道局といたしましては、今後とも事務事業の見直し、事業のより一層の簡素効率化を図りながら、その安定に努めてまいる考えでございますので、今回御提案申し上げております条例改正につきましても、ぜひ御理解を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。        〔五十三番 西野法久君 登壇〕 ◆五十三番(西野法久君) ただいま、水道事業管理者は具体的な数値を示されまして、水道事業財政の現状及び消費税率アップの水道財政への影響、さらには中長期的な水道財政の見通し等について説明がありましたけれども、水道事業の経営を一任されている管理者として、まず第一に、健全経営の維持を優先するお気持ちはお察しするところでございます。が、しかし、先ほど申し上げましたように、本市水道事業の使命の一つは、公共の福祉の増進にあるということでございます。もっと大きな視点、市民にとって何が一番幸せかという観点から、政策的にでも決断される必要があるのではないかと思うわけでございます。  二億数千万が入らない場合は極めて重要な支障を来すというような御答弁もございましたけれども、財政収支計画表を見ますと、たとえ新年度消費税分を抜いたとしても平成十二年度は三億近い黒字がまだ残っているわけでもございます。  そういう意味から、ひとつ、あの赤字の電車、バスは消費税をつけないと。ところが黒字である水道局は消費税をつけるということで、極めて不思議な現象と言いましょうか、市民のためにぜひひとつこのあたりは凍結をしていただきたいと強く申し上げておきたいと思います。この件につきましては、引き続き公営企業委員会の場で論議をさせていただきたいと思うわけでございます。  以上で私の質問は終わったわけでございますが、矢毛、吉原両局長に私も二十七年間お世話になってきた一人でございます。そういうことで、一つ「君に勧む更に尽くせ一杯の酒。西陽関を出ずれば故人なからん」という言葉をささげておきたいと思います。そして、「君が憂いに我は泣き 我が喜びに君は舞う」ということを申し上げて、これからも友情をさらに深めていきたいと思います。長い間大変お疲れさまでございました。  そして、議員の皆さん方には長時間にわたる御清聴、まことにありがとうございました。以上で終わります。(拍手)      ───────────────── ○副議長(宮原正一君) 本日の日程はこれをもって終了いたしました。  次会は明十四日(金曜日)定刻に開きます。      ───────────────── ○副議長(宮原正一君) では、本日はこれをもって散会いたします。                午後四時二十一分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり  平成九年三月十三日  出席議員 五十二名   一番 主海偉佐雄   二番 中沢誠     三番 坂田誠二    四番 藤山英美   五番 田中誠一    六番 内田三千夫   七番 重松孝文    八番 小山久子   九番 中松健児    十番 鈴木弘    十一番 古川泰三   十二番 税所史熙  十三番 山内光昭   十四番 下川寛    十五番 馬場成志   十六番 竹原孝昭  十七番 北口和皇   十八番 佐々木俊和  十九番 田辺正信   二十番 島田俊六 二十一番 河村寅麿  二十二番 田尻将博  二十三番 田尻清輝  二十四番 牛嶋弘 二十五番 岡田健士  二十六番 落水清弘  二十七番 益田牧子  二十八番 大江政久 二十九番 東すみよ   三十番 磯道文徳  三十一番 江藤正行  三十二番 荒木哲美 三十三番 伊形寛治  三十四番 奧田光弘  三十五番 鈴木昌彦  三十六番 宮原正一 三十七番 諸熊文雄  三十八番 上村恵一  三十九番 西泰史    四十番 亀井省治 四十一番 中村徳生  四十三番 嶋田幾雄  四十四番 竹本勇   四十五番 田尻武男 四十六番 白石正   四十七番 矢野昭三  四十八番 島永慶孝  四十九番 村山義雄  五十番 西村建治  五十一番 大石文夫  五十二番 紫垣正良  五十三番 西野法久 説明のため出席した者 市長      三角保之   助役      御厨一熊   助役      中村順行 収入役     岩本洋一   企画調整局長  松村紀代一  総務局長    野田晃之 市民生活局長  市原敏郎   保健衛生局長  工藤磐    環境保全局長  澤田幸男 経済振興局長  坂田憲一   都市整備局長  田尻紘    建設局長    齊藤聰 消防局長    野村功    交通事業管理者 行徳健次   水道事業管理者 竈啓一郎 教育委員会委員長松垣裕    教育長     後藤勝介   人事委員会事務局長                                       中尾政憲 代表監査委員  服部公雄   市長室首席政策審議員     財務部長    三嶋輝男                        瀬口芳生 職務のため出席した事務局職員 事務局長    森高聖之   事務局次長   岡本央    議事課長    松本豊 議事課長補佐  山田利博...